タイトル 作詩/作曲 完成日 初演日
「夕日の前に佇んで」 松田 亜世 2003. 2.23 2003. 3.20

 2001年のロシア・モンゴルの旅を含め、これまでの生涯に2度シベリアの聖なる湖・バイカル湖を訪れたことがある。とりわけ、2001年の旅は一人旅、バイカル湖の辺で6日間を過ごした。
 靄に包まれたその雄大かつ幻想的な姿は、今でも強烈に僕の胸に迫ってくる。ただその波の音を聴いているだけで心が癒され、異国の地に居ながらにして、自らの来た生命の根源を身近に感じることができた。
 とりわけ、静まり返った夜の月は格別だった。緩やかに波打つ湖畔に月の光がどこまでも長く伸びてゆく・・・。ロマンティックといってしまえばそれまでだが、独りで居ながらにして何者かの愛に包まれているようなそんな錯覚に陥ったものだ。
 その情景を焼き付けて生まれたのがこの歌ということになる。大いなる大自然に包まれながら、理屈抜きに、過去も未来もひっくるめて抱きしめ合える、そんなラブソングになった。

                    * 松田亜世自主制作CD「Acoustic Live 第一集」収録曲 *

「雪国の少女」 松田 亜世 2000.11.20 2000.11.29

 東京に出てきて、3度目の冬を迎えようとしていた。ビルの谷間を吹く風を、肌寒く感じながら家路へと向かう途中、この歌は生まれた。
 遠く、ノスタルジーに浸る瞬間ってのがあるのだ。たかだか21年の人生とはいえ、20歳を越え、大人になりつつある今、中学や高校時代に胸をつまらせたあの恋が懐かしくなった。プラトニックという言葉がぴったりのあの恋。今となっては理想化してしまっているのかもしれない、でも心のどこかで大切にしていたい。
 あれからいくつかの恋をして、別れも経験し、いくらか臆病になりつつあった。そんな時、忘れちゃいけない想いを思い出させてくれた、そんな歌なんだ。

                       * 松田亜世自主制作CD「白鳩」収録曲 *

「夜明けの月(99’)」 松田 亜世 1999.2.1 1999.2.5

 このホームページのタイトル「夜明けの月」は、この曲からきています。僕の代表曲(と、みなさんがおっしゃてくれるので、僕も勝手にそう思っています。)であるこの曲は、元はといえば1996年11月1日(当時高校2年)に書いたものです。そして初演は1996年11月17日にさかのぼります。
 その後、金沢での初のワンマンライブのタイトル曲にもなり、1999年2月、歌詞の手直しを経て、現在に至っています。新たに甦ったこの曲を初めて歌ったのが、モーリス・フォークヴィレッジのステージでした。プロデューサー・浅沼勇先生からお褒めの言葉をいただき、親しくさせていただくきかっけになったのがこの曲なのです。そういった意味においてもこの曲は、僕にとって非常に思い入れのある曲です。

 人間のはかなさ、繊細さを恋愛に投影させてこの歌は歌っています。「いつか見た夜明けの月 いつまでも夢見よう」と歌うとき、自分の中にあるもっとも純粋なものを忘れちゃいけないと思うのです。

              * 松田亜世3rdデモテープ「青の時代」にLIVE音源収録 *

 ©2000-2004 Asei Matsuda