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松田亜世ライブレポート
2005年



 ライブに寄せられたファンの声は・・・こちら

日時/会場 Set List レポート
2005.12.31
at
金沢駅
もてなしドーム
地下特設ステージ
1.アメ玉
2.がんばるまっし
3.雪国の少女
4.都鳥
5.灰色の空

 大晦日の金沢。
 雪に包まれた白き静寂の中、ゆっくりと年は暮れゆく。
 そして、金沢の玄関口・金沢駅での今年ラストのイベントに出演した。寒かった。しかし、帰省中の友達が不意に通りかかって聴いてくれたり、わざわざ長靴で聴きに来て下さったお客さんもいらっしゃって、本当に嬉しい2005年歌い納めになった。やはり、故郷というもの。「応援しとるぞ!」、そんな想いが吐く息の白さの向こう、ひしひしと伝わってきて、胸を打たれます。

 2005年の締めくくりの歌は、『灰色の空』。長い冬、それでも満天の青空、描いた僕らには夢がある!ありがとう、金沢♪

2005.12.30
COLORFUL CREAM
vol.2
at
金沢
vanvanV4
1.都鳥
2.昭和時代
3.雪国の少女
4.あなたに会えてよかった
5.天漢

 1995年、生まれて初めて立ったライブハウスのステージが、ここ金沢vanvanV4だった。あれから10年・・・。
 ライブハウス活動10年の今年、ライブハウスでのライブ締めくくりは、松田亜世出発の地・vanvanV4。色々な想いが胸を巡った。V4でライブをすること自体、かなり久々のことである。「懐かしい」という想いも確かにあるが、僕の中では高校時代のまんま時間が止まっている場所でもある。ここを通り過ぎるミュージシャン達は変わっても、僕は今も「ライブハウス」で生きている。原点回帰などという言葉は大げさだが、”歌い始めたこと”を実感できる場所には違いない。

 そして今日、この場所で10年ぶりの『あなたに会えてよかった』を歌えたことが、何よりも嬉しかった。

2005.12.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.41
at
吉祥寺
Be・Point
<Stage1>
1.水に月、風の流れ
2.吉祥寺
3.がんばるまっし
4.雪国の少女(with A.Guitar)
5.灰色の空(ピアノ弾き語り)
6.都鳥(新曲)
7.僕らの時代は風に吹かれて
 (バンド)
8.アメ玉(バンド)



<Stage2>
【リクエストコーナー「犀音庵」】
1.今宵、雨の中(with A.Guitar)
【松田亜世のフォークな世界】
2.浅草キッド
 (ビートたけし/with A.Guitar)

3.昭和時代
【松田亜世的クリスマスな世界】
4.上を向いて歩こう
→イッツ・ア・スモール・ワールド
→ジングルベル
 (メドレー/バンド)
5.ぼた雪の降る街(バンド)
6.おかえり
7.一期一会(バンド)
8.瞳を閉じて...(バンド)

<アンコール1>
1.天漢(バンド)

<アンコール2>
1.君の待つ海(バンド)

《サポートバンド》
  Piano&Chorus:
吉田佳奈子
  A.Guitar:
西村健
  Percussions:デミエン


 お蔭様で先月この「亜世's Day ワンマンライブ」も40回記念を無事に終え、そしてまた2005年も歌い続けることができ、今年の締めくくりとなる吉祥寺ワンマンライブを今日迎える。
 東京でも先週初雪が降った。無駄なものを全て包み込むような雪の白さ(=純粋さ)が僕は大好きだ。北陸育ちの僕にとって”雪”は瞼に焼きついた原風景なのだが、雑然とし、或いは誰もが急ぎ足の大東京が雪によって、一瞬凍りついたような時間も又、たまらない。
 雪に悪は似合わない。ダークなのは空だけで十分だ。そしてその灰色の空を見上げ、いつか満天の青空を夢見る心こそ大切。
 皆さま、少々早いですが、よいお年を!
ワンマンライブパンフレットより

 ライブハウス活動10年の2005年を締めくくる吉祥寺「亜世's Day ワンマンライブ」。お蔭様で40回記念を終え、次は50回への新たな一歩。そして何より、2006年に向かってのステージにしたいと思った。

 「風は今、君に吹いてますか?」と『水に月、風の流れ』からスタートした。吉祥寺住民に復帰して1年の今月、『吉祥寺』にも想いがこもる。
 東京に出てきた時のことを書いた『吉祥寺』から、僕の原風景・北陸に関わる歌を4曲続けた。
 東京も寒いが、金沢は大雪だそうだ。日本アルプスを隔てただけで、こうも天気が違うものかと、何年経っても実感がわかない不思議な感覚だ。灰色の空に育ってはきたが、たまに見せる青空にいつも夢を抱いてきた。そして春を待つゆるやかな気持ちこそ、僕達北陸人の誇りなのかもしれない。西村健のクールなギターと始めて共に演奏した『雪国の少女』、さらに久々に歌った『灰色の空』を歌いながら、そんなことを考えていた。
 故郷を愛し、望郷の念に駆られながらも、まだ大都会でもがいていたいと歌う新曲『都鳥』。「伊勢物語」の「東下り」という段からインスピレーションを得て書いた。この歌は、僕の1年半の千葉生活とも重なり、これからも大事にしたい1曲になった。
 サポートバンドを迎えての『僕らの時代は風に吹かれて』、『アメ玉』にて前半戦を締めくくった。

 後半はリクエストコーナーからスタート。毎回「犀音庵」コーナーに頂くお葉書は、僕の楽しみのひとつともなっている。今回は、「子どもの頃のクリスマスの想い出」をお題にお寄せいただいた。そしてリクエストは、ギターを急遽迎えての『今宵、雨の中』。そういえば、雨の多いこの15日だが、2005年の締めくくりの15日は降らなかった!(これは、2006年への良き土産かもしれない(笑)。)
 カヴァーコーナーはビートたけしさんの『浅草キッド』。Be・Point仲間のロケット団のお二人にオファーを頂き、来月のお笑いライブで歌わせて頂くことになった歌を一足先に披露。僕自身のライブハウス10年ということにも重なり、とっても深く染みる歌。これからも歌わせて頂こうと思っている。西村健のスライドギターがまたいい感じ!

 1999年から”昭和”を歌ってきた僕からの、昨今の昭和ブームへのささやかな愚痴の後(笑)、『昭和時代』を歌う。「この歌を聴いてから『ALWAYS 三丁目の夕日』を観て欲しい(笑)」。
 お寄せいただいたクリスマスの想い出等を紹介しながら、吉田佳奈子のボーカルをフューチャーし、クリスマスメドレーで『上を向いて歩こう』を演奏。恋人たちの為だけの不純な(?)クリスマスではなく(笑)、世界の子どもたちに夢を与えるクリスマスであって欲しいと、『イッツ・ア・スモール・ワールド』と『ジングルベル』を交えて歌った。
 雪の故郷に想いを寄せて『ぼた雪の降る街』、3フィンガーの弾き語りで『おかえり』。今年一年の出会いに感謝して『一期一会』、『瞳を閉じて...』の2曲で本編を締めくくった。

 2006年、冬の夜空に輝く星空のように、新たな年にまた、ひとつひとつの夢や希望、願いや想いが輝きますようにと、『天漢』を最後に歌わせてもらった。

 終演のオルゴールが鳴り始めたその時、さらにアンコールの手拍子を頂き、バンドのメンバーに手伝ってもらって『君の待つ海』を演奏することになった。お客さんからも手拍子を頂きながらの演奏、とても幸せな一時だ。
 2005年の「亜世's Day ワンマンライブ」、このような形で締めくくられて本当に嬉しい。

 さぁ、この力と感謝の気持ちを胸に、年末の金沢での充電期間を経て、2006年のスタートダッシュ、精一杯歌いたいと思う。
 2005年の吉祥寺ワンマンライブに足を運んで頂いたすべての方に、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました!


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「今宵、雨の中」/「月と太陽」/「阪神タイガースの歌」/「Lily」/「トゥーンタウン」/「あの川のほとり」

2005.11.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.40
〜40回記念〜
at
吉祥寺
Be・Point
<Stage1>
1.おかえり
2.がんばるまっし
3.昭和時代
4.ばあちゃんの祈り
5.Cry(ピアノ弾き語り)
6.僕らの時代は風に吹かれて
 (バンド)
7.あなたに会えてよかった
8.瞳を閉じて...(バンド)



<Stage2>
【リクエストコーナー「犀音庵」】
1.夜明けの月(リクエスト)

【松田亜世のフォークな世界】
2.悲しくてやりきれない
 (ザ・フォーク・クルセダーズ/バンド)

3.Lily(バンド)
4.アメ玉(バンド)
5.あの川のほとり(バンド)
6.一期一会(バンド)
7.天漢(バンド)

<アンコール>
1.上を向いて歩こう
 (坂本九・バンド)
2.君の待つ海(バンド)

《サポートバンド》
  Piano&Chorus:
吉田佳奈子
  A.Guitar:
西村健
  Percussions:デミエン


 1995年11月19日、僕は故郷・金沢のライブハウスvanvanV4のステージにはじめて立った。あれから10年、上京し舞台を吉祥寺に移し歌い続けてきた。常に”ライブハウス”という一期一会の出会いの場がここに存在したことが、僕にとって一番の財産である。「お蔭さんであんやと(お蔭様でありがとう)」と、素っ裸の心で今日は歌いたい。
 まだまだ夢の途中、道の途中・・・。
 これからも応援、宜しくお願い致します。
 そして、今夜は本当にありがとうございます。
ワンマンライブパンフレットより

 このライブで僕のライブハウス活動はほぼ10年を迎えた。「10年」なんていわれると長かったような気もするが、いやあっという間の時間の流れだったような気がする。
 あの時僕は高校1年生。金沢で3年、吉祥寺に移って7年・・・。様々な想い出が駆け巡ったライブ前日の夜だった。

 この「亜世's Day ワンマンライブ」としても今回が40回の節目、ともかく毎月歌い続けられたこと、毎月”ライブハウス”で出会いを重ねられたこと、それが今の僕の何よりの宝物である。だから「お蔭さんで」という言葉に尽きる。その感謝の気持ちも込めて歌いたいと思った。
 上京後、僕を内から支えてくれたものの第一は、まぎれもなく故郷・金沢という存在に他ならない。何度かおとずれた東京での挫折感、いつも僕は医王の山から続く犀川の流れに、そして夕日沈む日本海の荒波に、力をもらって再び「東京」に立ってきた。「すべての人の故郷が”ふるさと”であるように」と、僕はよくステージで語らせてもらう。帰る場所があるということは、とても幸せなことに違いないのだが、勝負の世界ではある種逃げの心が生まれるという怖さも併せ持っている。その危ういバランス感覚の中で、やはり僕は”ふるさと”と寄り添いあって歌い続けて生きたい。「おかえり」といってくれる母港を大切にしたいと思う。

 吉祥寺の街から故郷への感謝を込めて『おかえり』、『がんばるまっし』の2曲からこの記念すべきライブはスタートした。先月に続き、『昭和時代』、『ばあちゃんの祈り』、『Cry』。僕なりの戦後60年のメッセージでありレクイエム。
 そのメッセージを受けて、バンドを交えた『僕らの時代は風に吹かれて』。そして、この10年を振り返りながら、僕がライブハウスではじめて歌った歌『あなたに会えてよかった』(中学2年生の時卒業生を送る会の為に書いた歌)を9年ぶり位に歌わせてもらった。今メインで使っているアコースティックギターも丁度10年前の高校1年生の時に買ったものだ。様々な想いが心を巡る中、この歌から僕のライブハウスでの”出会い”がはじまり、そして今、「あなたに会えてよかったと心から言える君に出会えた」と『瞳を閉じて...』を歌っている僕がいる。
 「ありがとう」と、この言霊以外の言葉が見つからない。だから、「ありがとう」。

 後半戦はリクエストコーナーから。これもまた高校時代から歌い続けている『夜明けの月』を歌わせてもらった。カヴァーコーナーではフォークルの『悲しくてやりきれない』を西村健のアレンジで歌った。その後はバンドでのお馴染みの曲が続く。
 本編最後の『天漢』を歌いながら、また明日へ向かう力が僕自身沸き起こってきたような気がした。ライブハウスでの出会いが僕を強くした、それは紛れもない真実だと思う。まだまだ出会いを重ねて生きたい。「負けないことは闘い続けること」(『君の待つ海』)。

 音楽とは時間的芸術だと誰かが言っていた。音楽とは留まることがなく流れていくもの、だから時間は大切にしなさいと・・・。その流れゆく時間の中の一瞬、この一期一会に”ライブハウス”という空間で出会ったこの出会いこそ大切にしたい。
 「あなたに会えてよかった」
 これまでの出会いすべてに、僕は心からこう言いたいのです。

 ありがとうございます。


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「夜明けの月」(3通)/「荒野を越えて」/「月と太陽」

2005.10.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.39
at
吉祥寺
Be・Point
<Stage1>
1.銀木犀
2.おかえり
3.昭和時代
4.ばあちゃんの祈り(新曲)
5.Cry(ピアノ弾き語り)
6.今宵、雨の中(with A.Guitar)
7.僕らの時代は風に吹かれて
 (バンド)
8.天漢(バンド)


<Stage2>
1.Victory
【リクエストコーナー「犀音庵」】
2.月と太陽(リクエスト)
【松田亜世のフォークな世界】
3.涙そうそう(BEGIN・バンド)
4.アメ玉(バンド)
5.Lily(バンド)
6.一期一会(バンド)
7.瞳を閉じて...(バンド)

<アンコール>
1.君の待つ海(バンド)

《サポートバンド》
  Piano&Chorus:
吉田佳奈子
  A.Guitar:
西村健
  Percussions:デミエン


 銀木犀(金木犀に遅れて咲く白い花。):花言葉・初恋
 木犀の香りが漂うこの季節、長い冬を前にふと立ち止まり、これまでの道のりを振り返るに相応しい時期が秋なのかもしれません。懐かしさは安らぎのみでなく、時には力を運んでくれます。永遠であれと願った初恋の淡い想い出は遥か遠くに過ぎ去っても、木犀の香りに包まれながら、あの時のまっすぐな気持ちが今尚心のどこかに存在することを確かめることが出来たなら・・・。
 追い求める夢や希望、後ろに伸びたこれまでの道がまたひとつ背中を押してくれる、そんなことを感じる秋の一日。
 40回記念目前の吉祥寺ワンマンライブ、今夜もごゆっくりとお楽しみ下さい。
ワンマンライブパンフレットより

 天気予報は雨。
 つくづくこの亜世's Day ワンマンライブは雨が多い。『今宵、雨の中』の祟りか?(笑)しかも、開演までは晴れていて、終演後滝のように雨が降るってパターンが多い・・・。お客さん、ごめんなさい。

 さて、金木犀の香りが心地よく街を包み、秋のゆっくりとした時間が流れる土曜の吉祥寺。今日も素敵な仲間と、温かいお客さんの前で歌える喜びを噛み締めながらステージに上った。
 季節にちなんだ『銀木犀』(桜橋やW坂等金沢の地名も登場)で幕を開けた。故郷つながりで『おかえり』。
 序盤戦からではありながら、『昭和時代』、新曲『ばあちゃんの祈り』、『Cry』の3曲は僕が一番メッセージしたかったこと。戦後60年、伝え聞くことの大切さ、そしてそこから感じる”命”という根本的な大命題。”愛することや感謝の気持ち”、もう一度今この時代に問いかけていきたいと思う。

 『今宵、雨の中』からはサポートメンバーに加わってもらう。「混沌とした時代だけれども、やっぱり僕らはどこかに希望を見出して、夢みて生きていきたい。」、そんな願いを込めて『僕らの時代は風に吹かれて』、『天漢』の2曲で1stステージを締め括った。

 2年前、派手に優勝記念ライブをして日本シリーズで破れたので、今回は質素に『Victory』を歌うだけに・・・。この歌を歌い始めると、会場から漏れた笑みに一瞬歌詞が飛んでしまったが(笑)、みなさんお付き合いありがとうございました。(ちなみにサビのラスト”TとHのベースボールキャップ 2年前の忘れ物を TとHのベースボールキャップ 今年こそもう一度宙に舞え”は、今回限りの特別バージョン。)
 リクエストは『月と太陽』に綺麗にまとまり、歌わせて頂きました。続くフォークな世界ではサポートバンド、吉田佳奈子のボーカルも交えて『涙そうそう』。
 後半戦は回を重ねる度に音を綺麗に織り上げてくれるサポートバンドと共に。お馴染み『アメ玉』。続く今回はじめてバンドで取り上げた『Lily』では、ブルーな吉田佳奈子のピアノに西村健のギターが織り込まれる。バックではデミエンがしっかりと時間を刻んでくれている。
 ”一期一会の出会いと別れ”、そしてそう、”あなたに会えてよかった”と、心から感謝を込めて『一期一会』、『瞳を閉じて...』で本編終了。
 いただいたアンコールに『君の待つ海』を会場からの手拍子を交えて演奏。決して独りじゃないよと音楽は教えてくれるようだ。

 さぁ、来月は40回記念、ライブハウス活動10周年の11月。「ありがとう」の気持ちを込めて精一杯お届けしたい。


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「月と太陽」

2005.9.17
岩谷学園
2005’東濱祭
at
横浜
岩谷学園
1.アメ玉
2.瞳を閉じて...
3.今宵、雨の中
4.一期一会
5.君の待つ海
6.天漢



 吉祥寺ワンマンライブから中1日。自身の高校3年生以来の学園祭出演。そして、横浜で歌うのもはじめてのこと。
 待ちに待っていたといってよい、学園祭出演の日がやってきた。みなとみらい21地区に程近い横浜駅東口。前日のリハーサルで学校にお邪魔した時、生徒さんから「こんにちは」とすれ違うたびに挨拶を受けたことがとっても気持ちよくって、嬉しくて、(ここへ来るまでは、10年の世代間ギャップへの不安もあったのだが)とてもいい連帯感が生まれるのではないかと、そして今日はまるで新鮮な気持ちで会場へ向かっていた。

 たこ焼き、焼きそば等など、屋台が学校を埋める。お揃いのスタッフTシャツで客引き。学園祭だ!
 そして教室に作られたステージにてコンサートの幕が開く。まずは生徒さん達による合唱。その途中、『カントリーロード』と『涙そうそう』で僕もギターで参加させてもらった。みんなで声を合わせる、たったそれだけのシンプルなことなのに、目頭が熱くなるほど温かな気持ちにさせられるのだから不思議だ。音楽に出会ったもっとも最初の頃の気持ちを想い出せた様で、嬉しかった。

 その後、僕のコーナーが始まる。正直、選曲には悩みに悩みながら選んだ30分強のステージ、6曲。精一杯歌わせてもらった。
 今回は歌詩カードを会場の皆さんに配ってもらい、詩もじっくり味わってもらおうという試み。ということは、歌詩は間違えられない(笑)。字幕が流れるテレビの生中継さながらのステージである(笑)。
 ステージの進行が押していたのにもかかわらず、生徒さん、先生方、ご家族の皆さん、そして来場者の方々、みなさん歌詩に時折目を落としながら、まっすぐ僕の歌を聴いて下さった。嬉しかった。歌で響き合えたことが何よりも嬉しい。
 僕にとってもとても貴重な一日を過ごさせて頂いた。そして何より、素敵な10代の青春、とってもまっすぐな生徒さんたちと触れ合えたこと、僕も力をもらいました。本当にありがとう!

 学園祭が終わり、折角横浜に来たのだからと横浜港までギターを抱えて足を延ばした。明日は中秋の名月。海の上に浮かぶ月、そして揺れる波間に映る月がたまらなく愛しかった。

2005.9.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.38
at
吉祥寺
Be・Point
<Stage1>
1.昭和時代
2.がんばるまっし
3.おかえり
4.月と太陽
5.今宵、雨の中(with A.Guitar)
6.Cry(ピアノ弾き語り)
7.水に月、風の流れ
8.夜明けの月


<Stage2>
【リクエストコーナー「犀音庵」】
1.海の唄(リクエスト)
2.アメ玉(バンド)
【松田亜世のフォークな世界】
3.少年時代(井上陽水・バンド)
4.あの川のほとり(バンド)
5.一期一会(バンド)
6.瞳を閉じて...(バンド)
7.僕らの時代は風に吹かれて
 (バンド)
8.天漢(バンド)

<アンコール>
1.上を向いて歩こう
 (坂本九・バンド)

《サポートバンド》
  Piano&Chorus:
吉田佳奈子
  A.Guitar:
西村健
  Percussions:デミエン


 月明かりに優しく照らされる季節になりました。
 今夜も吉祥寺の街で皆さまとお会いできたこと、本当に嬉しく思っております。心から、ありがとうございます。
 月は自ら輝くことはできません。太陽の光によって、白く美しく、そして僕らの心を照らしてくれます。“お陰さま“の存在であるからこそ、人はその満ち欠けに儚さを感じ、その美しさに心を奪われているような気がします。
 「いつか見た夜明けの月 いつまでも夢みよう…」(『夜明けの月』)と、10代の僕は歌いました。
 未だ夢の途中、「水に映る月が美しいのは届かぬ理想の先に真実が見たいから…」(『水に月、風の流れ』)と今僕は歌います。
 一期一会の出会いに、今夜も精一杯歌わせて下さい。
ワンマンライブパンフレットより

 浴衣ライブから早1ヶ月。中秋の名月間近の秋の入口、9月15日。今月も吉祥寺の”この日”がやってきた。

 折角の月の季節だから、1stステージでは月に関する歌を多く取り上げた。このホームページのタイトルでもある『夜明けの月』をはじめ、『月と太陽』等、僕には月の歌が多い。昔から不思議な魅力を月に感じていたのだ。今回のワンマンライブを前に、月について自分なりに感じたこと、それは月は”お陰さま”の存在であるということ。太陽に照らされてはじめて光り輝くことが出来る儚き存在であるということ。だからこそ、僕らはその美しさに太古の昔から心を奪われているような、そんな気がした。
 儚さ故の純粋さ、大切にしたいと思う。久しぶりに取り上げた『夜明けの月』を歌いながら、改めてそんなことを感じていた。

 2ndステージ、今回いただいたリクエストの中から『海の唄』を取り上げた。母性の歌でもある。”青=海の色”とは不思議なもので、時に冷たく時に優しく、そして吸い込まれていくような深い色。友人の描いた”Blue”という抽象画が最近この『海の唄』と重なった。
 今回いただいたリクエストの中で『カラスの子守唄』なんて歌は、中学校の学園祭で初めて歌ったオリジナル曲だったりして、そんな曲を覚えててもらえたことが目茶苦茶嬉しかった。もう10年以上も前の話(笑)。ちょっとくすぐったい様な、長い道のりをしみじみと感じる様でもある。さらに、『Lily』も今回最後まで選曲の候補に残っていた曲で、また近く歌いたい。

 『アメ玉』以降はお馴染みとなった、アコースティックバンドにサポートをしてもらっての演奏。毎回毎回、音が出来上がっていく感じがとても楽しい。
 久々のカヴァーコーナー”松田亜世のフォークな世界”は、夏から秋のこの季節にちなんで井上陽水さんの『少年時代』を吉田佳奈子とデュエット。ゆっくりと流れる日本の情景が『あの川のほとり』へと繋がっていく。
 『一期一会』に続く『瞳を閉じて...』は、新たにバンドアレンジに加わった歌。”生まれてよかった、生きててよかった、そして、あなたに会えてよかったといった瞬間をもっともっと大事にしていきたい”、そんな風に思う。
 飽和した僕らの”この時代”を歌った『僕らの時代は風に吹かれて』、そして明日への希望であるように『天漢』を歌わせて頂いて本編終了。

 アンコールを頂き、『上を向いて歩こう』を手拍子を頂きながら楽しく歌わせてもらいました。とっても心地よいお客さんとの一体感を感じながらステージを終えることが出来て、本当に楽しかった。音楽の力を再確認。
 もっともっといい歌、いいステージをお届けできるように、また来月お会いしたいです。
 今月も、本当にありがとうございました。


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「海の唄」/「Lily」/「吉祥寺」/「夕日の前に佇んで」/「青の時代」/「カラスの子守唄」/9.11についての曲/「元気です」(吉田拓郎)

2005.8.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.37
at
吉祥寺
Be・Point
<Stage1>
1.夢花火
2.がんばるまっし
3.おかえり
4.水に月、風の流れ
 (新曲・ピアノ弾き語り)

5.君の待つ海(バンド)
6.あの川のほとり(バンド)
7.一期一会(バンド)
8.僕らの時代は風に吹かれて
 (バンド)


<Stage2>
〜ゲストコーナー〜
 吉 田 佳 奈 子
  アコースティックギター:西村健
  パーカッション:デミエン

【リクエストコーナー「犀音庵」】
1.今宵、雨の中
 (with A.Guitar・リクエスト)

2.NO MORE HIROSHIMAS
3.荒れ地の果てに(バンド)
4.荒野を越えて(バンド)
5.天漢(バンド)

<アンコール>
1.上を向いて歩こう
 (坂本九・バンド)

《サポートバンド》
  Piano&Chorus:
吉田佳奈子
  A.Guitar:
西村健
  Percussions:デミエン


左からデミエン、松田亜世、吉田佳奈子、西村健

 あまりにも非人間的な満員電車の混雑も和らぐお盆の東京。吉祥寺のサンロード辺りもいつもに較べると人が疎らだから不思議だ。「東京」の非日常なのだろうか。
 ライブがエンターテイメントであるならば、まさしく非日常の世界である。しかし、フォークやブルースは日常を歌うことから始まった。僕がやろうとしていること(=ライブ)は、日常の中の非日常であり、非日常の中の日常であるのかもしれない。

 折角のお盆のライブなのだからということで、サポートのメンバーにも声を掛けて浴衣ライブを決行した。去年の8月のワンマンライブも半分は浴衣で歌った。夏の恒例行事となりそうである。日本の伝統文化に大いなる誇りを持つ僕にとって、和装は理想の姿でもある。もっと着物がリーズナブルになり、Tシャツを着る感覚で浴衣が着れたりしたなら、なお楽しいだろう。

 夏ということで、開演前のBGMは、「旅の宿」、「せんこう花火」、「夏休み」等、夏を背景にした歌が多い吉田拓郎さん。蝉の声に包まれて開演、松田亜世の夏の歌『夢花火』から浴衣ライブはスタートした。前半は、”お盆=帰省=ふるさと”のテーマをメインに選曲。
 サポートバンドとの回を重ねる度に新たな曲をレパートリーに加えているのだが、今回は『僕らの時代は風に吹かれて』をチョイス。久々に歌った。

 吉田佳奈子のゲストステージを挟み、後半戦に突入。リクエストコーナーでは、『今宵、雨の中』をアコースティックギターの西村健と演奏した。

 そして、8月15日。戦後60年の終戦記念日。
 いつまでもこの国の戦後が「戦後」であるように、そしてまた世界に、そして地球上すべてに「戦後」が訪れますように、願いを込めながら『NO MORE HIROSHIMAS』、『荒れ地の果てに』、『荒野を越えて』の3曲を演奏させていただいた。僕らの世代は戦争の生の声を聴くことの出来る最後の世代かもしれない。だから、せめて伝え聴き、聴き伝えて生きたいと思う。
 「今の曲(『荒野を越えて』)もそうですけれども、想像することって凄く大事だなぁと思います。ジョン・レノンの歌ではないですけれど、想像することがなければ何も始まらないし、それはひとりひとりの夢だとか希望だとか、それからそれは日常であってもそうなのかもしれません。やっぱり想像することを諦めちゃいけない、そんな気がします。7月7日、日本では七夕という行事があります。短冊に願い事を書いて、純粋に織姫彦星に想いを馳せながら、願い事を託す。なんかこう、ステキだなぁと思います。そんな願いがひとつひとつ輝いていけばいいなぁなんて、思ったりします。そんな想いを込めて『天漢』という歌を聴いて下さい。(MCより)」と本編ラストは『天漢』を歌わせてもらった。

 アンコールは『上を向いて歩こう』を西村健のギターとデミエンのパーカッションをバックに演奏。ボーカルは吉田佳奈子と交代で歌った。西村健のジャジーなアレンジが名曲に彩を与えていた。
 暑い夏を越え、実り豊かな秋へと向かう。

 お盆のお忙しい中を会場に足を運んで下さった皆さまに、もう一度ありがとうございました。


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「今宵、雨の中」/「アメ玉」/「雪国の少女」/「一本道」(友部正人)/「少年時代」(井上陽水)/吉田拓郎のカバー

2005.7.31
FI5VE
リビングライブ
at
池袋
FI5VE

1.アメ玉
2.がんばるまっし
3.おかえり
4.一期一会
5.天漢
とても身近な距離で真剣に歌に耳を傾けて下さったお客さん。

 池袋、この街で歌うのは僕にとって初めてのこと。同じ「東京」といえども、街によって空気が全く違うから面白い。その街の空気を感じながら歌うことが出来たらとても楽しい。

 池袋から目白方面にしばらく歩いたビルの谷間に「FI5VE(ファイブ)」という音楽空間がある。普段はとっても美味しいランチのカレーや、夜はバーとして営業しているお店での初めてのライブに呼んで頂いた。共演は"新橋の歌姫"こと舟久保香織さん。とてもパワフルな女性シンガーソングライター。はじめての共演だったのだが、FI5VEのスタッフであり、中央線友達のMさん曰く「亜世君と共演させてみたかった。」とのこと、僕も楽しみにしていた。

 ライブハウスとはまた違った空間ならではの特色を出そうと、ライブを楽しんでいただくのは勿論、終演後は歌い手に直に触れてもらえる様な交流時間に重点を置きたいということで、日曜の夕方16時にスタート。独りで過ごす日曜の夕方は、また新たに始まる一週間に対する不安と倦怠感も入り混じってブルーに染まることが多い。そんな時間帯に「歌」を通して何かを共有することが出来たのはとても嬉しかった。
 はじめて聴いて下さる方がほとんどだったのに、手の届く距離でまっすぐ聴いて下さったのはありがたかった。またこの新たな出会いを力に変えて生きたいと思った。
 30分ずつのステージは17時過ぎには終了、ビンゴ大会を挟み、バータイムへ突入。ライブを終えて18時頃からバドワイザーをゆっくり飲めたのもなかなかいい感じ。
 そして池袋の夜は、ゆっくりと流れていった。

2005.7.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.36
〜3周年記念〜
at
吉祥寺
Be・Point
<Stage1>
1.ひとつひとつ
2.がんばるまっし
3.上野
4.井の頭公園
5.今宵、雨の中(with A.Guitar)
6.Cry(ピアノ弾き語り)
7.おかえり
8.瞳を閉じて・・・(新曲)


<Stage2>
【リクエストコーナー「犀音庵」】
1.昭和時代(リクエスト)
2.アメ玉(バンド)
3.荒野を越えて(バンド)
4.荒れ地の果てに(バンド)
5.ぼた雪の降る街(バンド)
6.あの川のほとり(バンド)
7.一期一会(バンド)
8.君の待つ海(バンド)

<アンコール>
1.天漢(バンド・リクエスト)

《サポートバンド》
  Piano&Chorus:
吉田佳奈子
  A.Guitar:
西村健



 3年前、2002年7月1日にスタートしたこの「亜世's Day ワンマンライブ」。本当に多くの方に支えられながら今宵、3周年を迎えた。
 その日を前にして、これまでのパンフレットやライブレポートを辿りながら吉祥寺の部屋で一人、この3年間を振り返っていた。大学を卒業したての時に吉祥寺でのワンマンライブがスタート、半年後千葉に移住。それから1年と10ヶ月は千葉から毎月通う吉祥寺の夜になった。自らの”都落ち”だった。そして昨年末、もう一回、「東京」に戻ってきた。僕にとって今生きる「東京」、吉祥寺。人生に迷った時、苦しい時、それを支えてくれるのは故郷・金沢。「東京」に生きる意味を見失いそうになった時、逃げ出しそうになった時、自分を奮い立たせてくれる街・吉祥寺、僕にとって第二の故郷、「東京」の故郷である。僕はこの街を愛している。この愛すべき街で3年間ワンマンライブを続けてこられたことが、僕の中の血となって力強く波打ち続けている。
 梅雨明けを数日後に控えたライブ当日の昼下がり、うだる様な暑さの中、井の頭弁天さんへ足を運んだ。ゆっくりと歩く公園の散歩道、感謝の気持ちがたまらなくこみ上げてきた。目を閉じると太陽の情熱を感じ、生きている自らを感じる。生きていることと歌っていることが同義であること、そんな命でありたいと願う。

 3年間、ひとつひとつ支えられて歌い続けることが出来た。そんな想いが大きくて、今日は久々に歌う『ひとつひとつ』から幕を開けた。上京後の自らの体験を重ね、今在る「東京」へ向かう為、『がんばるまっし』、『上野』、『井の頭公園』と続く。
 「あなたに会えてよかった」と、そんな気持ちを込めて書いた新曲『瞳を閉じて』で1stステージは終了。

 リクエストコーナーは『昭和時代』。「それじゃ、リクエストコーナーは『昭和時代』」と歌い始めると拍手が起こったのは嬉しかった。お客さんの心にこの歌があるのだなぁと思うと胸が熱くなる。まだまだ頑張らなければ・・・。
 そしてサポートメンバーをステージに迎えた。今日は残念ながらパーカションのデミエンが急遽出演キャンセルになってしまったので、吉田佳奈子と西村健の二人にしっかりと支えてもらった。バンドでは初となる『アメ玉』。吉田佳奈子のハモンドオルガンをフューチャーしたアレンジになった。
 今年は戦後60年。終戦当時20歳だった方が80歳、10歳だった方でも70歳になる計算になる。どんどんと遠くなっていくこの国の記憶・・・。僕ら孫の世代に出来ること、伝え聞き、想像すること、それが本当に大切だと思った。僕に出来ることは、歌で想像すること、そしてそれを伝えること、共有すること。『荒野を越えて』、『荒れ地の果てに』は僕の中のそんな想いのこもった歌だ。
 人が皆、いつか還るべき場所へと『ぼた雪の降る街』、『あの川のほとり』と続く。この3年間の一期一会の出会いの積み重ね、ひとりひとりのあなたに会えて本当によかったと思った。
 手拍子を頂きながらの『君の待つ海』。リクエストも頂いた『天漢』にて3周年記念の亜世's Day ワンマンライブを締めくくった。
 そっと描き続ける夢のひとつひとつが、いつの日か、いつの日か確実に輝きますように・・・。

 本当にありがとうございます。


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「昭和時代」(2通)/「天漢」(2通)/「月と太陽」/「吉祥寺」

2005.6.17
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.35
at
吉祥寺
Be・Point
<Stage1>
1.響(旧題:響き合う二人のワルツ)
2.少年X
3.昭和時代
4.がんばるまっし
5.おかえり
6.今宵、雨の中(with A.Guitar)
7.荒野を越えて(バンド)
8.一期一会(バンド)


<Stage2>
〜ゲストコーナー〜
 SEiZI/晴志(From 金沢)
【リクエストコーナー「犀音庵」】
1.Cry(リクエスト・ピアノ弾き語り)
2.月と太陽
3.ぼた雪の降る街(バンド)
4.あの川のほとり(バンド)
5.天漢(バンド)

<アンコール>
1.君の待つ海(バンド)

《サポートバンド》
  Piano&Chorus:
吉田佳奈子
  A.Guitar:
西村健
  Percussions:デミエン



 26歳最初の吉祥寺ワンマンライブ。梅雨の訪れと共に巡りゆく季節。この亜世's Day ワンマンライブをスタートした当初、全くの雨男だった僕も、最近は晴男へと転じ、今回も梅雨の晴れ間に恵まれた。

 すべてが"0"か"1"かにデジタル化されつつある時代にあっても、やはり人間同士の交わり、心で触れ合い響きあうことを続けて生きたい。僕にとって「ライブ」という空間は、最も人と響き合える掛け替えのない時間である。そんな想いも込めて『響』という歌からスタートした。5月下旬、地元・石川のラジオ番組に出演させていただいて歌わせていただいたのが、この『響』と『少年X』だった。10代を駆け抜けた金沢時代。上京して20代も折り返し地点を十分越えた。だからこそ歌える10代もあるような気がしている。
 そして、20代を生きて見えてきた故郷がある。『がんばるまっし』、『おかえり』などがその代表曲。これらの歌を歌う瞬間が今の僕にとってはとても貴重なエネルギー源となっている。

 今回は、2月以来のアコースティックバンド編成でも演奏させてもらった。ピアノ&コーラスにお馴染み吉田佳奈子、アコースティックギターに西村健、パーカッションにデミエン。ステキな仲間が吉祥寺に集まってくれた。回を重ねるごとに息が合ってくる。同じ音楽を共有できる仲間に心から感謝。これが"響き合い"ということなのだと思う。
 『今宵、雨の中』は西村健との二度目の共演。しっとりとより切ないギターを編みこんでくれた。バンドでは初となる『荒野を越えて』と『一期一会』。『荒野を越えて』で描きたかった情景が、みんなの力でよりリアルに浮かび上がってきた。音楽、照明、客席が程よい緊張感の下、ひとつの世界に向かってゆく。『一期一会』、今日もあなたに会えてよかったと、ホントに良かったと、そう思った。

 セカンドステージは、金沢からのゲスト・SEiZI/晴志さん。ギター一本抱えて精力的に全国を飛び回っている金沢の先輩シンガーソングライター。何年ぶりかの共演。

 リクエストコーナーは『Cry』。ピアノの弾き語りでお届けした。ライブの構成、時間の都合で歌いたいけど削らなければいけない曲も沢山出てくる。『Cry』は、今僕がとても歌いたい歌のひとつで、そんな歌のリクエストがあるととても嬉しい。歌いたい歌と聴きたい歌との響き合い・・・。「ライブ」という感じにゾクゾクする。
 『月と太陽』、これも毎回リクエストをお寄せいただくありがたい歌。今回はしっかりと選曲に反映させていただきました。
 そして再びバンドの登場。吉田佳奈子のハモンドオルガンがカッコよく決まってた『ぼた雪の降る街』。感情が込み上げてくる『あの川のほとり』。犀川の流れは僕の紛れもない原点。いつか帰る為に東京で生きているのかもしれない。
 七夕の物語『天漢』にて本編終了。バンドが入ることによって、天の川のイメージも鮮やかに膨らんでくる。最後は、客席からの手拍子も頂いて『君の待つ海』。目の前に迫った夏に向かって・・・。
 さぁ、来月はいよいよ3周年記念である。


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「Cry」(2通)

2005.5.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.34
at
吉祥寺
Be・Point
<Stage1>
1.昭和時代
2.アメ玉
3.今宵、雨の中
4.がんばるまっし
5.おかえり
6.灰色の空(ピアノ弾き語り)
7.井の頭公園
8.桜唄


<Stage2>
1.吉祥寺
【松田亜世のフォークな世界】
〜高田渡さん追悼特別企画〜
     with いしうらまさゆき
2.銭がなけりゃ(高田渡)
3.生活の柄(高田渡)
4.蒼い蜜柑(いしうらまさゆきソロ)
【リクエストコーナー「犀音庵」】
5.Lonely Road(リクエスト)
6.一期一会
7.Cry(ピアノ弾き語り)
8.響き合う二人のワルツ(新曲)

<アンコール>
1.夜明けの月(リクエスト)


 25歳最後のワンマンライブ。二十歳を過ぎてからだろうか、毎年歳を重ねる前のこの時期、色々な想いが交錯し、ある種ブルーな状態になることが多くなった。とはいえ、それは一過性のものであって、歌うことにより自らの道しるべを再確認できる貴重な時間でもある。
 ゴールデンウィーク中から、風邪と流行の花粉症の併発状態に陥り、少々不安を抱えながらの久々の日曜日開催のワンマンライブ。集中力を高めることだけに気持ちを向かわせた。

 先月のワンマンライブの翌日、吉祥寺になくてはならない存在だったフォーク歌手・高田渡さんが亡くなった。なんだかとっても哀しくて、そして淋しかった。吉祥寺の街で長年ライブをやらせていただいている一フォークな歌い手として、渡さんへの感謝の想いをささやかながらライブで表現したいと思った。その趣旨に、同じく吉祥寺在住の僕と同い年でフォークな歌うたい・いしうらまさゆきが応えてくれ、ゲストで出演してくれることになったのだ。
 開演前は渡さんの名盤『ごあいさつ』。ステージはフォークという世界観が時代の1ページを飾った昭和をテーマにした2曲からスタートした。バラードを挟んで故郷をテーマにした歌を並べた。上京後8年目の春への想いが重なってくる。上京後の歌『井の頭公園』、出会いと別れ、儚き想いを歌った『桜唄』にて1stステージは終了。

 後半は『吉祥寺』からスタート。僕の吉祥寺に対する想いを正直に歌った歌だ。渡さんも愛して止まなかったこの街に精一杯の気持ちで歌った。
 そしていしうらまさゆきの登場。渡さんの話に花が咲く。僕らの世代にもしっかりと渡さんの歌は届いていましたよ。『銭がなけりゃ』、『生活の柄』の2曲を2人で歌わせていただいた。フォークなセッションはとても楽しい。これぞ吉祥寺という時間をいしうらまさゆきと共に創れたことがとても嬉しかった。そして、渡さん本当にありがとうございました。

 リクエストコーナーは久々に歌うことになった『Lonely Road』。高校時代、ライブハウスに出るようになった頃から歌っている歌。今となってはちょっと照れ臭いが、原点を想い出させてくれる歌。26歳を前にして、この歌をリクエストで歌えたことはとても意味あることのような気がしている。
 一期一会の出会いと別れ、『一期一会』そして『Cry』。本編ラストは『響き合う二人のワルツ』、新しい歌だ。先月末に出席した友人の結婚式にて、「これからの人生、お金とか地位とか名誉とかではなく、心で響き合える人にどれだけ出会えるかが大事だと思います。」とスピーチした僕の友人である新郎の言葉に深く感動した。そして生まれた歌だ。歌も響きである。これからもひとりひとりと響きあって生きて生きたい、そう改めて思った。
 最後の歌は、リクエストも頂いた『夜明けの月』。これまた僕の原点の歌。

 またひとつ自分を見つめなおすこともできました。足を運んで下さったみなさん、本当にありがとうございました。またみなさんと響きあって生きたいと思っています。


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「夜明けの月」(2通)/「Lonely Road」/「月と太陽」

2005.4.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.33
at
吉祥寺
Be・Point
<Stage1>
1.灰色の空(ピアノ弾き語り)
2.井の頭公園
3.アメ玉
4.Cry(ピアノ弾き語り)
5.今宵、雨の中(with 西村健)
6.ぼた雪の降る街(with 西村健)
7.がんばるまっし
8.おかえり


<Stage2>
【松田亜世のフォークな世界】
1.プカプカ(ディランU)
2.愛煙家の哀歌(エレジー)
3.昭和時代
【リクエストコーナー「犀音庵」】
4.ドンマイ(リクエスト)
5.桜唄(新曲)
6.一期一会(with 西村健)
7.天漢(with 西村健)

<アンコール>
1.君の待つ海(with 西村健)

サポートギター:西村健



 満開の桜から一週間、葉桜になりかけた井の頭公園の桜。今の部屋からは玉川上水沿いの桜も近い。桜のある情景は、日本の中でも日本らしい一時である。刹那の美しさ、諸行無常の儚さ故の美。そしてまた新たな季節が始まるのだ。考えてみたらそんな季節を毎年毎年二十数回経験していることになる。
 上京後も8回、桜の季節を過ぎた。出会いと別れの季節にはやっぱり桜の花が似合う。今回は出来たての桜をテーマにした新曲『桜唄』を歌うのが、何よりも楽しみだった。

 僕が春を感じる時、その裏側には確実に北陸の灰色のどんよりした冬の空が圧倒的な存在感で想い描かれる。その対比こそ、僕にとっての春なのだ。青春に重なる季節『灰色の空』のピアノの弾き語りから今夜のステージはスタートした。桜の季節ということで『井の頭公園』へ続く。豊かさゆえに想像力掛ける今、『アメ玉』と『Cry』に僕なりのメッセージを込める。『今宵、雨の中』、『ぼた雪の降る街』は初のセッション。今回は、ゲストとサポートとして出演予定だった吉田佳奈子が急病の為、出演キャンセル。サポートギターの西村健が、何曲か僕の隣で男っぽいギターを聴かせてくれた。

 後半戦に入り、中央線ソングの代表格(煙草にジャズにセックスに占い)と僕は勝手に思っている『プカプカ』をカヴァー。今月頭から煙草(セブンスター)を止めた僕にとっては意味深い一曲。煙草を止めても僕は煙草(セブンスター)が好きなのだ。吸わずともその存在は大好きなのだ(笑)。そして、「世の中の矛盾に耐えかねて僕は煙草を止めました。」と『愛煙家の哀歌』。ライブでも禁煙を公言してしまったから、もう後には戻れまい(苦笑)。とはいえ、高い声がいつもより楽に出る。早速、効果ありなのだ。僕にとって今何が必要か、必然的に答えが出る。
 煙草→タバコ屋のある風景→昭和ってな連想で『昭和時代』へ。今回取り上げたリクエスト曲は『ドンマイ』。さらに、今月僕がどうしてもお届けしたかった2曲、『桜唄』と『一期一会』。出会いと別れを繰り返す中で、抱きしめたいこの季節への想いをのせて歌った。この春新しいポジションで、あるいは同じ場所でスタートする皆さんに『天漢』。

 一年は1月に始まるが、この桜散る季節もまた始まりの季節である。また新たな気持ちでひとつひとつを抱きしめながら、1ヶ月を過ごして生きたい。毎月、皆さんにお会いできる幸せを忘れないように、精一杯・・・。


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「ドンマイ」/「天漢」(何度も聴きたい)/「青春の空」

2005.3.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.32
at
吉祥寺
Be・Point
<Stage1>
1.アメ玉
2.上野
3.井の頭公園
4.がんばるまっし
5.永遠
6.Cry(ピアノ弾き語り)
7.灰色の空(ピアノ弾き語り)
8.おかえり


<Stage2>

〜ゲストコーナー〜
 吉 田 佳 奈 子
  ギター:西村健

1.あの川のほとり(セッション)
【リクエストコーナー「犀音庵」】
2.昭和時代(リクエスト)
3.一期一会(セッション)
4.天漢(セッション)

<アンコール>
1.君の待つ海(セッション)


 久々の金沢でのワンマンライブを終え、再び東京に戻ってきた。いつも心の支えとなり力を与えてくれるそんな故郷、そしてまた「東京」で僕は生きていくのだ。僕にとってこの吉祥寺ははじまりの「東京」であり、また現在進行形の今生きる「東京」なのだ。

 ようやく暖かさの増してきた、そんな15日だった。冬から春へ、大地の生命(いのち)が芽吹くこの季節のなんともいえぬ緊張感が、僕は好きだ。木々に囲まれた吉祥寺にはとりわけこの季節が似合う。そしてまた出会いと別れの季節でもあり、人と人との繋がりを実感できる瞬間でもある。

 『アメ玉』からスタートした今日のステージ。『上野』、『井の頭公園』と、東京のお気に入りの場所を舞台にした歌が続き、『がんばるまっし』へ。この歌が「東京」でも受け入れられたことが嬉しくて僕は歌い続けている。
 帰郷の話などを交えながら、今回親友の結婚式の為に書き下ろした『永遠(Forever)』を歌った。
 春を待つこの季節、『灰色の空』に込めた僕の想いが一層強くなる。そう、「春を待つ大地に立っているひとつの迷いの季節」を今、生きている。いつか満天の青空がやってくると信じて・・・。

 後半戦は先月に引き続き吉田佳奈子がゲストとして遊びに来てくれた。パーカッションのデミエンは体調不良の為お休みとなってしまったが、ゲストコーナーに引き続き、ピアノとアコースティックギターのサポートを得て演奏することができた。徐々にサウンドが固まってくる感じがとっても嬉しい。
 今回『一期一会』を新たにセッションすることができた。男っぽい西村健のアコースティックギターに吉田佳奈子の小気味よいピアノが重なり、心に描いていた曲のイメージで歌うことができた。
 アンコールは『君の待つ海』。会場からの手拍子ももらいながらとっても楽しく春待つ季節のワンマンライブを終えることができた。
 また色々なサウンドにも挑戦していきたい。また来月、吉祥寺の街で歌えることを心待ちに、新たな日々を過ごすことになりそうだ。


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「昭和時代」/「月と太陽」/「青春」/「荒野を越えて」/「一本道」(友部正人)/「さらばシベリア鉄道」

2005.3.8
松田亜世
Live in 金沢'2005
at
金沢
もっきりや



↑北陸放送ラジオ制作部さん他から送られた花束の数々。
<Stage1>
1.銀木犀
2.上野
3.がんばるまっし
4.月と太陽
5.井の頭公園
6.一期一会
7.Cry(ピアノ弾き語り)
8.アメ玉


<Stage2>
1.昭和時代
【松田亜世のフォークな世界】
2.プカプカ(ディランU)
【リクエストコーナー「犀音庵」】
3.永遠(新曲・リクエスト)
4.雪国の少女
5.灰色の空(ピアノ弾き語り)
6.ぼた雪の降る街
7.おかえり

<アンコール>
1.君の待つ海
2.天漢


↑80名を超える故郷の皆さんに見守られながらライブを展開。

 2003年11月23日の香林坊ハーバーでのワンマンライブ以来、1年3ヶ月ぶりの金沢でのワンマンライブ。
 ライブハウス活動10周年の今年、僕の活動をスタートさせた金沢の街で歌えたことが、何よりも嬉しい。
 ライブ1ヶ月前の開催緊急決定、しかも週明けの平日にもかかわらず、お店の定員を超す80名を超える皆さんにご来場いただけたことが本当に嬉しかった。会場は、金沢のライブハウスの老舗中の老舗・もっきりやさん。金沢の中心部香林坊や片町のすぐ傍、柿木畠にある。ちょうどその場所は、僕の小学校の校下であり、幼い頃遊びまわっていた記憶がある。今はジャズで有名なお店だが、古き良きフォーク喫茶の香りがそのまんま残っていて、トム・ウェイツ、デビット・リンドレーら蒼々たるミュージシャンがこのステージを踏んできた歴史がある。僕がこのライブハウスに立つのは、今回が初めて。先輩ミュージシャンの魂を感じながら、程よい緊張感で開演までの時間を過ごした。

 開演時間を少し過ぎ、道を跨いだ反対側の控え室からステージに向かう。すでに超満員、ガラス張りの窓の向こう側に立ち見のお客さんも見えた。「帰ってきたぞ〜!」そう心で叫びながらギターを手にする。故郷・金沢ということで、W坂や桜橋、寺町などの地名が登場する『銀木犀』からステージはスタートした。上京後まる6年の恋や音楽の想い出話、そして僕の「東京」への想い等を語りながら1stステージは進行していった。
↑『Cry』、『灰色の空』では、ウィーンで生まれたピアノの名器・ベーゼンドルファーを僭越ながら弾き語り。
 色んな出来事をお喋りしながら、会場からの笑いを受けたりしながら、この6年という月日の間、実に色々あったなぁと改めて実感していた。その道のりを経て、今回戴いた感想に「亜世くん自身が吹っ切れていた。今までで一番良かった。」という言葉をもらえたのかもしれない。自分自身、今迷いや焦りというものは感じていない。如何にまっすぐ歌と向き合えるか、この一点に懸かっている様な気がしている。
 昨今の社会情勢を自分なりに言葉にしながら『Cry』を歌う。ベーゼンドルファーというウィーン生まれのピアノの名器を弾き語る。良い楽器ほど、上手く弾かないことには音が鳴ってくれないものだ。しかし、なんと細やかで愛しい音色だろうか…。
 金沢でも人気の『アメ玉』にて前半終了。この曲の途中、自然発生的に手拍子が沸き起こったのは嬉しかった。

 一度楽屋に引っ込む余裕もなく、ステージ上で軽いインターバルをもらいながら2ndステージに突入した。僕の記憶では金沢初登場の曲『昭和時代』。僕のステージは本当に幅広い年齢層の方に足を運んでいただけているから、この歌も色々な角度から聴いてもらえるのが嬉しい。続くカヴァーコーナーでは、『プカプカ』を歌わせていただいた。もっきりやさんのイメージから、「カヴァーは絶対この曲」と準備してきたのだが、2日前のお店との打ち合わせの際、このステージで最初に歌ったのがディランUのお二人だったということを聞き、「何たる偶然!」とかなり興奮した。客席からの手拍子をもらいながら、楽しく歌うことができた。とはいえ、僕はステージから、歴史の重み、先輩ミュージシャンの「気」のようなものをバシバシ感じながら、この歌の間中、久々に豪く緊張していた。
 リクエストコーナー「犀音庵(さいねあん)」では、皆さんからの質問、メッセージやリクエストをラジオ番組にハガキを出す雰囲気でお寄せいただいた。やはり金沢、高校時代から歌っている場所ならではのリクエストが心地よい。『静江』なんて曲、高校卒業ライブ以来お蔵入りしているのだから(笑)。もう少し時間があれば色々やりたかったのだが、今回はこのライブの3日前の結婚式で初披露した『永遠(Forever)』を取り上げることにした。
 そして、『雪国の少女』、『灰色の空』、『ぼた雪の降る街』、『おかえり』と、故郷抜きには歌えない歌を2ndステージのラストに歌わせていただいた。上京後5年を過ぎた辺りから、僕の故郷への想いは年々高まってきている。そう、あたりまえにすべてはここから始まったのだ。紛れもない僕にとっての「いのち」の場所。ありがとう、ありがとう、そんな気持ちで一杯だった。

 アンコールも頂き、手拍子をもらいながら『君の待つ海』、そして『天漢』にてすべてのステージを終了した。
 本当に沢山のお祝いや、花束を頂き、心から感謝申し上げます。

 春を目前に待つ、愛すべき金沢の街で再び皆様とお会いできたこと、そして今の僕を歌えたこと、本当に嬉しく思っております。本当にありがとうございました。
 また必ず、お会いいたしましょう!


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「永遠(Forever)」/「静江」/「さよなら」/「Lonely Road」/「夜明けの月」/「なごり雪」(いるか)/「巡恋歌」(長渕剛)/「しゃぼん玉」(長渕剛)/「禁じられた遊び」

2005.2.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.31
at
吉祥寺
Be・Point
<Stage1>
1.吉祥寺
2.雪国の少女
3.月と太陽
4.井の頭公園
5.一期一会
6.灰色の空(ピアノ弾き語り)
7.Cry(ピアノ弾き語り)
8.昭和時代


<Stage2>

〜ゲストコーナー〜
 吉 田 佳 奈 子
  ギター:西村健
  パーカッション:デミエン


1.あの川のほとり(バンド)
2.天漢(バンド)
【リクエストコーナー】
3.アメ玉(リクエスト)
4.おかえり
5.ぼた雪の降る街(新曲)


<アンコール>
1.君の待つ海(バンド)


 連日寒い日が続いていた。それでも井の頭公園の梅が咲き、春への足音が徐々に聴こえつつある季節、僕はこの季節がとても好きだ。
 長く暗い北の冬で育った僕にとって、春を迎える喜びを感じながらもどこか名残惜しい、そんな贅沢な季節でもある。ともあれ、移ろいゆく季節を感じられるのが好きなのだ。

 今回のワンマンライブは『吉祥寺』から幕を開けた。先月から始めたステージスタイルを踏襲し、ステージの上手から下手へと歌に込めた感情に身を任せて動き回る。歌に込めた情景を少しでもお客さんと共有できれば僕は嬉しい。
 前半は先に述べたこの季節特有の儚さ、そして多くは春に訪れる出会いと別れをテーマに選曲した。ともすれば『一期一会』、この季節にぴったりの言葉なのかもしれない。季節を噛み締めるように、人と人との出会いを味わい包み込むことができれば、ひとつひとつの出会いと別れは一生の財産になりうると思う。

 そして後半戦。今回は久々にゲストを迎えてお送りした。一昨年、サポートコーラス&ピアノとして活動を共にしてくれた吉田佳奈子。さらに今回はこのワンマンライブ初参加となった彼女のバンド、ギターの西村健とパーカッションのデミエン(From ロンドン)。ゲストコーナーの後、彼女たちの強力なサポートを得て歌うことができた。ふるさとの川をテーマにした『あの川のほとり』では、僕は初めてギターを置き、ハンドマイクで歌った。意外にもこの10年のライブ活動の中で、手にマイクを持ってステージで歌うという経験は今回が初めて。アコースティックギターの切ない旋律、緩やかな川の流れのようなピアノとコーラス、ゆっくりと時を刻むかのようなパーカッション、エンディングでは僕のハープがそこに絡んでゆく。。続いて『天漢』もバンドでの演奏。音と音が重なり合ってゆく、なんとも幸せな時の流れであろう。

 恒例となったリクエスト&メッセージコーナー。今回は、「亜世さんは吉祥寺にある二つの要素のうち、中央線派?井の頭線派?」との質問に、松田亜世かなり熱いトークを展開(笑)。こういったお客さんとのやりとりがたまらなく楽しい。
 3月8日の金沢ワンマンライブを前に『おかえり』そして、金沢弁の新曲『ぼた雪の降る街』で本編を締めくくった。
 最後にもう一度ゲストをステージ上に迎え『君の待つ海』を演奏した。今年はアコースティックバンドに挑戦したいと思っていたので、今回のステージは僕にとっても貴重なものとなった。楽器が重なってゆくことにより歌の世界がまたひとつ拡がってゆく。また、必ずやります。

 3月、久々の金沢でのワンマンライブに想いを馳せ、またひとつ故郷から力を得て3月15日、吉祥寺のステージに立ちたい。


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「アメ玉」(3通)/「がんばるまっし」/「No More HIROSHIMAS」/即興で何か/「野風僧」、「時代おくれ」(河島英五)/泉丘高校校歌/応援団の応援歌

2005.1.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.30
〜30回記念〜
at
吉祥寺
Be・Point
<Stage1>
1.君の待つ海
2.井の頭公園
3.雪月花
4.昭和時代
5.祈りの少女
6.Cry(ピアノ弾き語り)
7.あの川のほとり
8.おかえり


<Stage2>
1.アメ玉
【リクエストコーナー】
2.愛煙家の哀歌(リクエスト)
3.月と太陽(リクエスト)
4.Lily(ピアノ弾き語り)
5.雪国の少女
6.銀木犀
7.僕らの時代は風に吹かれて
8.灰色の空(新曲・ピアノ弾き語り)
9.吉祥寺

<アンコール>
1.夜明けの月


 2005年一発目の「亜世's Day ワンマンライブ」。2002年7月1日にスタートしたこの月例ワンマンライブも、今回で30回の記念ライブを迎えることが出来た。
 年月にして2年半・・・。様々なことが想い出される。スタート当初は大学を卒業して間もなく、今も青いが、今よりもっと青かっただろう。そう考えるとちょっと恥ずかしくなる(笑)。ステージネームの変遷ってのもあった。歌い手が"say"するのもカッコイイと"Asay"になったり、散々な眼にあった千葉の事務所に付けさせられた"亜聖"、「お前、クリスマスみたいな名前やめろ」と故郷の友に言われたこともあったっけ(笑)。30回の内、16回は千葉から通う吉祥寺ライブだった。それも今では大きな力なのだが、当初は精神的に辛かった。
 この30回、温かく見守ってくれたライブハウス、そして何より足を運んでいただいた多くの方々に支えられた幸せを感じた。これを力に出来るか否かは僕自身に懸かっていると考えると、とても身が引き締まる。

 今回のステージは、ステージ上から一切のマイクを取り去った。そして、ハーモニカホルダーを改造した自家製のマイクを使って、ステージ上を動き回る。よりお客さんの近くで歌うことが可能になる。ずっと温めていたこのステージング。もっと一体になりたい、そんな気持ちが強くなってきた。音響の面で多少の心配はあったのだが、それもリハーサルでクリアー。自由に動けるということは、より全身で歌うことも出来る。そして何より楽しい(笑)。いつも突然のアイデアを持ち込む僕に笑顔でお付き合いいただいているライブハウスのスタッフの皆さんには感謝!お陰様で今日は新たな試みに挑戦することが出来ました。

 2005年、前向きな『君の待つ海』で幕を開ける。お馴染み『井の頭公園』、そしてお正月ということで和の世界観を僕なりに表現した『雪月花』を久々に歌う。僕なりの昭和『昭和時代』。雪の中、恋人を戦争にとられてしまう悲しい物語『祈りの少女』。前半戦最後は、「故郷に帰り、自分の出発点を再確認し、人間は優しい気持ちになれるような気がします。その優しさはやがて大きな力になるのだと思います。」と故郷を題材にした2曲。いつもピアノで歌っている『おかえり』は、ステージ最前列でギターで歌った。
 後半戦は、30回記念ということでリクエストを2曲歌わせていただいた。「僕が長い北国の冬から学んだことは春を待つ温かな気持ちです。今は寒くてもいずれ必ず春がやってきます。それは僕らの青春とも重なる気がして、そして生まれたのがこの唄です。」と新曲『灰色の空』をピアノで歌った。本編ラストは感謝を込めて『吉祥寺』。この唄には、この30回(2年半)の想いや上京後の想いが重なって、僕にとっては大切な一曲です。
 そしてアンコールをいただき、『夜明けの月』で締めくくった。

 今日の東京地方はみぞれ模様。足元の悪い中、足を運んで下さったお客様と、そしてこれまでの30回を支えて下さった全ての方々に心から感謝申し上げます。2005年も心を込めて歌って生きたいと思います。ありがとうございました!


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「愛煙家の哀歌」/「月と太陽」/「Victory」/「リンゴ」(吉田拓郎)/泉丘高校校歌/「北の国から」(さだまさし)

© 2000-2005 Asei Matsuda




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