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松田亜世ライブレポート
2006年



 ライブに寄せられたファンの声は・・・こちら

日時/会場 Set List レポート
2006.11.23
松田亜世
ワンマンライブ
in 落陽

at
荻窪
落 陽

【曇】

<Stage1>
1.君の待つ海(バンド)
2.おかえり(バンド)
3.がんばるまっし
4.井の頭公園
5.快速電車休日運転
 (新曲・バンド)

6.白黒の子守唄(バンド)
7.一期一会(バンド)
8.ひろみ湯(バンド)



<Stage2>
【松田亜世のフォークな世界】
1.イメージの詩(吉田拓郎・バンド)
【リクエストコーナー「犀音庵」】
2.昭和時代(リクエスト)
3.あの川のほとり(リクエスト)
4.新宿三丁目
5.廓唄(バンド)
6.古の海より(バンド)
7.アメ玉(バンド)

<アンコール>
1.天漢(リクエスト・バンド)
2.瞳を閉じて...(バンド)

《サポートバンド》
  Percussions&Chorus:
木内健
  Bass:山さん


 「ようこそ、吉祥寺へ」という気持ちのホームタウン吉祥寺でのライブから飛び出して、(といってもオレンジ色の中央線に揺られて都心方向へ2駅、休日運転の今日なら1駅(笑)。)、荻窪にやってきました。
 “落陽”という名のフォークな空間での日の出ともいうべく、また新たな気持ちで歌います。
 2006年を締めくくるこのワンマンライブ、来るべき2007年に向かって・・・。
 どうぞ最後まで、ごゆっくりお過ごし下さい。
ワンマンライブパンフレットより

 長年のホームグランド吉祥寺Be・Pointでの最後のライブから約2ヶ月、中央線を新宿方向に2駅、荻窪に降り立った。
 11月15日の金沢でのライブを終えたことで、吉祥寺で50回続けさせて頂いた”亜世's Day ワンマンライブ”にもひとつの区切りが付けられたような、そしてまたそれを財産にして歩み出せるような、そんな前向きな気持ちが自分の中に生まれていた。
 金沢もっきりやライブから約1週間、もっきりやでの時間がとっても温かいモノとなったので、その空気を東京にもお届けできたらなぁという気持ちだった。落陽の温かな雰囲気もそれを表現するのにピッタリだった。

 今日はいつものメンバーからギターが1人いない3人編成、よりシンプルに歌を伝えられたらと思った。
 新たな出発ということでお客さんから手拍子をもらいながら「走り出したらそこがまたはじまりさ」と歌った『君の待つ海』からスタート。金沢ライブの報告などをしながら『おかえり』、『がんばるまっし』と続く。こうしてまた「東京」で、満員のお客さんの前で歌うことが出来たことが本当に嬉しかった。ギュッと凝縮された空間で、歌を介して向き合えたことに心から感謝したいです。
 吉祥寺のことや、12月からステンレス車両に徐々に入れ替わってしまう中央線への想いを語りながら、お馴染み『井の頭公園』、そして出来たての『快速電車休日運転』を歌った。当初弾き語りでやる予定だった新曲だったのだが、「折角だからリズム刻んでもらおうかな。」と、サポートの2人にもステージ上でいきなり手伝ってもらうことになった。そんな芸達者な仲間にも感謝である。僕の中でもこの『快速電車休日運転』は、Be・Pointがなくなった吉祥寺の街で最初にできた歌なので、また想い入れもあったりするのだ。こうして吉祥寺から少し離れた所でこの歌を歌っていると、吉祥寺を少し冷静に客観的にも捉えられているようでとっても可笑しくもあった(笑)。同じく昭和の吉祥寺をイメージして書いた『白黒の子守唄』、客席から自然と手拍子もおこった『一期一会』、『ひろみ湯』と続けて1stステージを終えた。

 荻窪落陽は、フォーク酒場という空間。60年代70年代のフォークをリアルタイムで実体験した方々が連日連夜、スーツの上着を脱ぎ捨ててギターを抱えて歌う場所。ここ数年”世代を超えたフォークな世界”を創りたいという想いも強かった僕にとって、この場所で歌わせて頂く事はとても意味のあることのように思えた。新たなスタートの場所である。
 壁には拓郎さんの写真が飾ってある。拓郎さんに見つめられながらこの歌を歌うのは恐縮でもあったのだが、『イメージの詩』を歌った。「今日は落陽でしょ。だから吉田拓郎さんの歌を歌います。」と言うと拍手がおこった(笑)。その空気は、「今日は落陽でライブをやれてよかったなぁ。」と思える瞬間だった。
 お葉書を紹介しながら『昭和時代』と『あの川のほとり』を弾き語りで歌った。最近『あの川のほとり』はバンドで演奏することが多かったのだが、久々に弾き語りで歌うと、これまた自分自身新鮮な気持ちにもなれた。とりわけ、金沢ライブの直後だけに、より一層想いを込めて歌うことも出来た。そして自分自身の「東京」での想いとも重なる『新宿三丁目』。再びサポートバンドを交えての『廓唄』、”サカサイト サカサッサイト”の掛け声と共に『古の海より』、お馴染み『アメ玉』で本編終了。

 戴いたアンコールで、これまたリクエストも多かった『天漢』、最後は『瞳を閉じて...』で2006年のワンマンライブを締め括った。今年も本当に沢山の方にライブを通じてお会いすることが出来て、本当によかったと思います。足をお運びいただいた皆さんに心より感謝申し上げます。

 ライブ終演後の打ち上げに、来春発売のミニアルバム『がんばるまっし』収録『瞳を閉じて...』で、素敵なピアノを弾いて下さっているサントリィ坂本さんが遊びに来てくださった。間に合えば本編での共演も実現したのですが(曲順変更はその可能性があった為だったのです(笑)。)、折角なのでということでライブ後のステージを借りて『瞳を閉じて...』と『アメ玉』を一緒に演奏しちゃいました。是非次回は、皆さんの前でサントリィさんとの共演をご覧いただけるように頑張ります!

 それでは皆さん、どうぞ良いお年をお迎え下さい。
 来年はいよいよミニアルバムの発売です。より良いステージを目指して頑張ります。また皆さまとライブ会場でお会いできますことを楽しみにしております。
 今年も一年、本当にありがとうございました!


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「あの川のほとり」(3通)/「天漢」(3通)/「昭和時代」(2通)/「月と太陽」

2006.11.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.51
in 金沢
〜50回達成記念!〜

at
金沢
もっきりや


北國新聞社後援

【雷雨】


<Stage1>
1.僕らの時代は風に吹かれて
 (バンド)
2.おかえり(バンド)
3.がんばるまっし
4.都鳥
5.井の頭公園
6.一期一会(バンド)
7.ひろみ湯(バンド)
8.あの川のほとり(バンド)


<Stage2>
【松田亜世のフォークな世界】
1.生活の柄(高田渡・バンド)
【リクエストコーナー「犀音庵」】
2.荒れ地の果てに(リクエスト)
3.新宿三丁目
4.廓唄(バンド)
5.古の海より(バンド)
6.瞳を閉じて...(バンド)
7.アメ玉(バンド)


<アンコール>
1.君の待つ海(バンド)
2.夜明けの月
3.天漢(バンド)


《サポートバンド》
  
Percussions&Chorus:木内健
  A.Guitar:西村健
  Bass:山さん



《写真撮影》

  谷内啓樹



 北陸の冬独特のにび色の雲に覆われた金沢の街。
 1年8ヶ月ぶりの金沢でのワンマンライブ、そしてサポートバンドを引き連れての初の金沢は、夕方から雷雨に見舞われた。冬の始まりを告げる雷のことを金沢では”ぶりおこし”と呼ぶ。やがて北陸の長い冬が訪れる、そんななんとも金沢らしい季節に歌えることもまた、この街で歌うことのひとつの意味かもしれない。

 金沢の老舗ライブハウスもっきりやでの2度目のライブ(前回は2005年3月)なのだが、今回もまた満員のお客さんで溢れかえり、チケットはお陰様でSold Out。ステージに向かう僕らに”がんばれや!”という声が飛ぶ。この雰囲気はどこでもない生まれた街だけのものだと思う。本当にありがたい。
 サポートメンバーと共に『僕らの時代は風に吹かれて』、『おかえり』を続けて演奏する。ちょうどこの日の午前中、ミニアルバム『がんばるまっし』のジャケット撮影を犀川でしていた時に、偶然鮭の遡上を目撃。身をよじりながら急な川の流れを、生まれた場所を目指して一心不乱に上りゆく鮭の命の力には感動した。武者震いするようなそんな力をもらった。そうして改めて『おかえり』を歌えたことがまた嬉しかった。
 金沢弁のトークも挟みながら弾き語りで3曲。『がんばるまっし』、『都鳥』を歌いながら9年目の”東京”、しかし今もこうして故郷と繋がりながら歌っていけることが何ともありがたいと思った。吉祥寺Be・Pointでの”亜世's Day ワンマンライブ”が50回を迎え、お店の歴史と共に終演、その節目でどうしても歌いたかった金沢だった。また新たなスタートを切るためにはなくてはならない存在、それがまた”故郷”ということなのかもしれない。
 再びメンバーを迎え、『一期一会』、そして今回一番人気だった金沢では初演となる『ひろみ湯』を演奏。会場が一体となる瞬間を感じながら、『あの川のほとり』で1stステージを終えた。

 外の寒さに反して、人いきれでむせ返った会場だったが、それがかえって温かい独特の一体感を生み、もっきりやという空間と共にとても心地よい空気で2ndステージに突入することが出来た。
 2ndステージは、”世代を超えたフォークな世界”を創るべく、金沢にまつわるフォークの話や高校時代の体験談などを語りながら、吉祥寺の大先輩高田渡さんの『生活の柄』のカヴァーからスタートした。いい歌は歌い継いでいく、それもまた”フォーク”の大切な要素なのだ。
 リクエストハガキをいくつか紹介しながら、リクエストにお答えして『荒れ地の果てに』を久々に歌った。この歌は高校時代から歌っているから、このリクエストもまた金沢ならではなのかもしれない。高校卒業を記念した98年のワンマンライブ当初から足を運んで下さっている方に拍手をしてもらった結果、これまた結構いらっしゃって、路10年、また何とも嬉しいことだった。そんな想いは『新宿三丁目』に繋がっていく。
 そして金沢で歌う『廓唄』。途中、ぶりおこしが鳴り響き、ライブハウスの窓に稲妻が映る。続く能登の海をテーマにした『古の海より』では、”サッカサイと サッカサッサイと”の掛け声を公開レコーディング。来年2月発売のミニアルバムにしっかりと収録されることになる。お客さんの酔いもいい具合に回って、皆さん大きな声を出して頂いたので、その勢いでそのまま演奏。もっきりやの窓は、客席の熱気に白く曇っていた。
 「あなたに会えてよかった」と、その想いのままに『瞳を閉じて...』。大きな手拍子と共に『アメ玉』で、ステージを終えた。
 アンコールと沢山の花束を頂き、『君の待つ海』、金沢ではお馴染み高校時代から歌っている『夜明けの月』、最後は『天漢』で締め括った。

 冬の始まりの金沢、これから長い冬が続きます。今回頂いた大きな力をもって一旦”東京”に戻り、今度は来年2月、ミニアルバム『がんばるまっし』を手土産に、2月17日(土)夜、18日(日)昼の2日間、春待つこの故郷にまた帰ってきます。

 お蔭さんであんやとう!!

 そして、金沢の皆さんに拍手♪

 こころからあんやとう・・・。



<お寄せいただいたリクエスト曲>
「荒れ地の果てに」(2通)/”犀川”、”初恋”、”ブランコ”この3つのキーワードにまつわる曲/「街」(高石ともや)/「チューリップのアップリケ」(岡林信康)/「プカプカ」(ディランU)/「恋」(松山千春)/「祈り」(長渕剛)/「俺らの家まで」(長渕剛)/「順子」(長渕剛)

2006.9.22
坂元昭二
アコースティック・ジャム
VOL.10 finale

at
吉祥寺
Be・Point


【曇】

1.がんばるまっし
2.雪国の少女(with 坂元昭二)
3.アメ玉(with 坂元昭二)
4.夜明けの月


 吉祥寺Be・Pointでの83回目のライブ。そしてこの日がこのライブハウスでの最後の最後のステージ。

 15日のワンマンライブがBe・Pointでの卒業式だったとするならば、今回のライブは謝恩会といったところだろうか。しかし、何とも贅沢な謝恩会。ドラマ『北の国から』のギターや、さだまさしさんのコンサートツアーに17年間”亀山社中”のアコースティックギタリストとして参加されていた坂元昭二さんとの共演。この場所での最後に相応しい舞台だった。

 坂元さんを含め7組の出演者、昼過ぎからリハーサルはスタートした。最後のBe・Pointライブということで、客席の隅で色々な想い出をなぞりながら、他の出演者のリハーサルをずっと聴かせて頂いた。そして、坂元さんの素敵なギターの音が、この場所での数々の想い出を愛しむかのようにBe・Pointを包んでいた。

 僕のステージはご挨拶代わりに『がんばるまっし』でスタート。坂元昭二さんにお手伝い頂いて『雪国の少女』、『アメ玉』の2曲。いつもとはまた違った世界が拡がる。歌を大切に大切に坂元さんのギターが包み込んでくれた。音楽の素晴らしさここにありといった感じだ。何よりも僕の歌の世界が、坂元さんのギターの音色でさらに深く描かれる感じがとても嬉しかった。

 そして最後は、高校時代から歌い続けている『夜明けの月』でBe・Pointに別れを告げた。
 思えば最初にBe・Pointで歌ったライブの最後もこの『夜明けの月』だった。またここにひとつ、お陰様で照らされた”夜明けの月”があったことを大切にしたい。
 いつまでもいつまでも・・・。

 またどこかで出会うことが出来たなら。
 僕にとっての永遠のライブハウス、Be・Point。

2006.9.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.50
〜 50回記念!
ありがとう
吉祥寺Be・Point 〜
at
吉祥寺
Be・Point


【晴】

<Stage1>
1.僕らの時代は風に吹かれて
 (バンド)
2.古の海より(バンド)
3.がんばるまっし
4.都鳥
5.昭和時代
6.白黒の子守唄(バンド)
7.ひろみ湯(バンド)
8.あの川のほとり(バンド)


【松田亜世と石浦昌之の
世代を超えたフォークな世界
第6話〜総集編〜】


<Stage2>
1.井の頭公園
【リクエストコーナー「犀音庵」】
2.いつかの空(リクエスト)
3.今宵、雨の中(リクエストwithAG)
4.廓唄(バンド)
5.Cry(バンド)
6.一期一会(バンド)
7.瞳を閉じて...(バンド)
8.アメ玉(バンド)

<アンコール>
1.君の待つ海(バンド)
2.夜明けの月
3.天漢(バンド)


《サポートバンド》
  A.Guitar:
西村健
  Percussions&Chorus:木内健
  Bass:山さん




《写真撮影》
  おかもとちか

 本日は50回目の『亜世’s Day ワンマンライブ』にようこそおいで下さいました。ご承知のとおり、これまでこのライブを支えてくれたこの吉祥寺Be・Pointが、今月末で閉店します。僕にとってこの場所は、「東京」に於ける故郷のような存在です。今日、そして22日のライブをもって帰る場所がなくなってしまうのは、非常に淋しいです。
 この場所で皆さんと出会い、歌った時間を、そして共に創りあげた空間を心に刻みつけ、また前に進んで生きたいと思います。
 そして何より、今日まで50回の『亜世’s Day ワンマンライブ』に足をお運び頂き、またこれまで応援して下さった皆様に心から感謝申し上げます。この場所で“出会う”ことが出来て本当によかったと思います。
 「ありがとう。」という言葉が全てです。
 一曲一曲噛みしめながら、今日はこの言葉に向かって歌いたいと思います。
 どうぞ最後まで、ごゆっくりとお過ごし下さい。
 ありがとうございます。
ワンマンライブパンフレットより
パンフレットのダウンロード(pdf)

 遂にこの日がやってきた。
 吉祥寺Be・Pointで”最後”のワンマンライブだと思うと、「遂にやってきてしまった。」という気持ちもどこかにあった。2002年7月、始まりの時に終わりを考えられるほどの余裕と想像力と精神は持ち合わせていなかったけれど・・・。あれから4年2ヶ月、遂にその時がやってきたのだ。
 吉祥寺Be・Pointの閉店を告げられたのは、8月のこのライブの直前だった。それから1ヶ月、突然といえば突然の出来事、幾日も泣いた。状況を受け入れるだけで精一杯、最後の”時”を想像しながら、一人のリハーサルで涙が止まらず、歌えないなんぞ生まれて初めての経験だった。
 しかし、「50回を期に新たなスタートを!」という皆さんからの温かいメッセージに何度も励まされた。本当にありがたかった。皆さんの中にもこの『亜世's Day ワンマンライブ』は吉祥寺Be・Pointと共に生きていて、我がことのように心配して下さった。皆さんと共に”想い”を共有できたことが何よりも嬉しくて、その”想い”を胸に9月15日、このステージに立とうと思った。
 本番までに色々な想いが昇華されて、最後に「ありがとう」という言葉が残った。一曲一曲、その言葉に向かって歌いたいと思った。

 毎月毎月過ごしてきた本番の日。雨が多かったがこの日は曇り空。いつものように井の頭公園を散歩して、弁天さんに今日のライブの成功を願う。吉祥寺という街に憧れて「東京」に出てきて、そして幸いなことにこの街に帰るべき場所を見つけることが出来た。それが紛れもなく吉祥寺ライブハウスBe・Point。今日のステージを終えてこそ、”第二の故郷・吉祥寺”と胸を張って呼べるような、そんな気がした。

 開場と同時にお客様が入って来て下さった。今日は満員のお客さん。
 僕は、いつものように開場時間ギリギリまでのリハーサルとステージ上の準備を終え、慣れ親しんだ楽屋で開演を待つ。その日のステージに想いを巡らす、この開演前のひと時が僕は好きだ。会場では【松田亜世と石浦昌之の世代を超えたフォークな世界】の再放送が流れている。
 やがて開演時間を迎えた。鼓動が会場に響き渡る。徐々に聴こえる中学2年生当時の僕の声。卒業生を送る会で歌った『あなたに会えてよかった』が会場に流され、サポートメンバーと共にステージに登る。この場所に生き、歌い続けてきたこと、そして”あなたに会えてよかった”、そんな想いを表現したかった。

 お馴染み『僕らの時代は風に吹かれて』で幕を開けた。スポットライトを浴び、ひとりひとりのお客さんの視線と気持ちを感じる瞬間。「さぁ、始まった!」。
 木内健のカホン(パーカッション)が軽妙にリズムを刻み、西村健のギターが情景を描き、手拍子と掛け声と共に『古の海より』。山さんのベースがどっしりと構える。この”亜世's Day ワンマンライブ”を通して、素敵なサポートメンバーに出会えたことも掛け替えのない財産の一つ。
 金沢弁でのトークを挟み、松田亜世の原点・弾き語りで『がんばるまっし』、『都鳥』を歌った。そして”想像すること”の大切さ、夢を描いたあの時代から良くも悪くも学ばなければならないと『昭和時代』、『白黒の子守唄』、『ひろみ湯』へと続いていく。『ひろみ湯』での手拍子が、会場の一体感を高めていく。歌っていてこれほど嬉しいことはない。
 「いつもは僕の生まれ育った犀川のことを想って歌っているのですが、今日は大好きな街・吉祥寺、そして僕の始まりの”東京”・吉祥寺、もう第二の故郷といってもいい吉祥寺、その場所でこの街に向かって歌います。吉祥寺に愛を込めて歌います。」と『あの川のほとり』で前半を締め括った。

 4月からの半年間、休憩時間にお送りした【松田亜世と石浦昌之の世代を超えたフォークな世界】も今日が総集編。これまでこのライブの【松田亜世のフォークな世界】でカヴァーした時の音源と共に僕達のフォークへの想いを語った。武蔵野フォークに代表される”フォークな街・吉祥寺”(だと僕は思う。)、この街でこのコーナーを創れたことは嬉しかった。もっともっと続けていきたかったのだが、それはまた次の場所で・・・。

 後半は『井の頭公園』でスタートした。吉祥寺を舞台にした別れの歌なのだが、今日ばかりはその歌詞がこのライブハウスとの別れと重なった。
 続いてリクエストコーナー。沢山のお葉書をお寄せ頂いたので、急遽木内健がディレクターとなりハガキをチョイスしてくれた。ただし、リクエストは広く頂いたので、選ぶのに困ってしまったのだが、ハガキの流れで『いつかの空』、そして雨の多かったこの”亜世's Day ワンマンライブ”には欠かせなかった『今宵、雨の中』を西村健に手伝ってもらって演奏した。歌と想い出がリンクすることもしばしばあって、この4年と2ヶ月の間、千葉からこのライブに通っていた時期のことだとか、色んなことを思い出した。
 再びサポートメンバーに登場してもらって『廓唄』、『Cry』、『一期一会』を一気に演奏した。
 「ライブハウスという空間は一期一会ということを凄く感じる場所で、そんな中でミュージシャンに出会ったり、スタッフに支えられたり、そして何よりもこうやってお客さんに足を運んで頂いて、ここで同じ時を過ごせたことというのは、僕にとって本当に貴重なことで・・・、ひとつひとつの出会いを大事にしていきたいと思います。そしてそのひとつひとつの出会いが”あなたに会えてよかった”という出会いでありますように。これからもそうありたいと思います。そんな想いを込めて・・・。」と、『瞳を閉じて...』を歌わせて頂いた。
 再び木内健のカホンから勢いよく会場からの手拍子も加わっての『アメ玉』が始まる。思えば元チビ玉・嘉島典俊さんへの『アメ玉』提供を機にこの”亜世's Day ワンマンライブ”がスタートしたことも甦る。この歌は一番演奏機会の多かった曲かもしれない。最近は自然と湧き起こる手拍子がとても嬉しくて、楽しくて、音楽は音を楽しむことだと実感させてくれる曲でもある。今日もまた会場の一体感が嬉しくて、嬉しくて・・・。いつまでもこの音の空間の中に埋もれていたい、そう真面目に願っていた。

 一旦ステージを下りた楽屋に、アンコールの手拍子が聴こえてくる。楽屋でメンバーともう一度円陣を組んで再びステージへ登った。さぁ、もう本当にお別れの時間が近づきつつあった。

 来年金沢の舞台でご一緒させて頂く女優の白石奈緒美さんが花束、そしてステージ衣装にと袴の贈り物を持って駆けつけて下さった。
 アンコールは手拍子と共に『君の待つ海』。夏から秋へ、今日から明日へ、夢を海に向かって!そう、「走り出したらそこがまたはじまりさ」。
 続いて弾き語りで『夜明けの月』。高校時代から歌っている歌だ。ライブハウスという場所に出会ったのが高校時代。金沢のライブハウスvanvanV4のステージに初めて立ったのは、早10年以上前の話。僕の活動の中心は常にライブハウスだった。吉祥寺Be・Pointに出演し始めて7年半、実にライブハウス人生の半分以上を過ごした場所。ライブハウスのステージにはじめて立った時の喜びは今も忘れない。そしてその喜びを感じ続けられる自分でありたいと思う。
 ライブは自分ひとりでは決して創ることのできないもの。喩えそれが弾き語りのステージだったとしても、空間、スタッフ、そしてお客さんが”その時”を感じられなければライブは成立しない。ライブハウスで歌うということはお陰様でのこと。支えられ、そしていつか「ありがとう」を返す場所だと思っている。だからまだ道の途中の悔しさはある。しかし、心の中に生き続ける”ライブハウスBe・Point”に、いつか「ありがとう!帰ってきたよ。」と言う為に、また明日から精一杯歌っていこう。それがこれから僕の為すべき事だと思う。
 みなさんと過ごし、創りあげたこのライブハウス、本当にありがとう。

 「このライブを続けていく中でも、サポートミュージシャンだとか、この場所吉祥寺Be・Point、スタッフの皆さんの力なくしてはできなかったことだし、何よりもこうして足を運んで下さった皆さんの力で、この50回というものを迎えられたのかなぁと思います。”Show must go on!”というか、まだまだこれで終わる訳ではないし、また新たな・・・(客席から『まだまだこれから』の声と拍手)・・・これからまたスタートを切れたらいいと思います。この場所を僕は”東京”での帰るべき場所だと思っていたので、しっかりと今日は、もうあと一曲になりましたが、刻み込んで・・・。心の中では永遠に故郷であると、そんな風に思います。みなさんの夢もひとつひとつ輝きますように、祈りを込めて歌います。」と最後に『天漢』を歌った。

 我慢しきれなかった涙の後には、「ありがとう」という言葉しかなかった。

 心から、ありがとうございました。


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「天漢」(4通)/「いつかの空」/「今宵、雨の中」/「雨上がりの新宿三丁目」/「女の子」/「月と太陽」/「Lily」/「荒野を越えて」/「一本道(友部正人)」

2006.8.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.49
at
吉祥寺
Be・Point


【小雨】
<Stage1>
1.夢花火
2.君の待つ海(バンド)
3.古の海より(バンド)
4.がんばるまっし
5.いつかの空
6.雨上がりの新宿三丁目
7.廓唄(バンド)
8.天漢(バンド)

【松田亜世と石浦昌之の
世代を超えたフォークな世界
第5話〜加川良〜】


<Stage2>
【松田亜世のフォークな世界】
1.教訓T(加川良/withバンジョー)
【リクエストコーナー「犀音庵」】
2.月と太陽(選択制リクエスト)
3.あの川のほとり
 (リクエスト・バンド)
4.浴衣と子猫(新曲)
5.NO MORE HIROSHIMAS
 (バンド)
6.アメ玉(バンド)
7.一期一会(バンド)
8.瞳を閉じて...(バンド)

<アンコール>
1.ひろみ湯(バンド)

《サポートバンド》
  A.Guitar:
西村健
  Percussions&Chorus:木内健
  Bass:山さん
《ゲスト》
  Banjo&Chorus:石浦昌之


 本日は真夏の吉祥寺、お盆の真っ最中にも関わらず、『亜世’s Day ワンマンライブ』にご来場いただきまして、誠にありがとうございます。
 ご承知のとおり、今日を含めあと2回となったこの吉祥寺Be・Pointでのこの月例ワンマンライブ。これまで7年半、僕の「東京」での活動の拠点だったこの場所、そしてこの場所で皆さんと共有した大切な時間、そのひとつひとつを噛みしめて歌いたいと思います。
 そして、今日は戦後61年の8月15日。伝え聞き、守り続け、そして戦後がいつまでも「戦後」であり続けますように・・・。
 どうぞ最後まで、ごゆっくりお過ごし下さい。

ワンマンライブパンフレットより

 ちょうど一週間前、Be・Pointの今年9月末での閉店を知らされた。たまらなく淋しかったけど、そして道半ばの悔しさもあったけど、沢山の方々の励ましや想いのこもったメッセージに支えられた。
 そしてこの吉祥寺Be・Pointでの残すところあと2回となった『亜世's Day ワンマンライブ』、その一曲一曲を精一杯悔いのないように歌おうと、そう思えるようになった。本当に皆さんには心から感謝申し上げます。

 2004年からこの8月15日のライブは毎年浴衣でお届けしている。今回は前半後半2着の浴衣を用意して、お盆の真っ只中にお越し頂いた皆さんに、夏の風をお届けしようという試み。あいにくの小雨模様ではあったが、会場にも浴衣姿のお客様も見えて、非常に嬉しかった。

 さて、ステージは蝉の声が鳴り響く中、夏の歌・『夢花火』の弾き語りで幕を開けた。作務衣の西村健、甚平の木内健、新調した浴衣の山さん、バンドのメンバーもそれぞれの”和”のいでたちで登場。会場からの手拍子と共に『君の待つ海』、さらには能登の歌・『古の海より』をバンドで演奏。
 金沢弁のお喋りを少々(笑)、『がんばるまっし』、『いつかの空』、『雨上がりの新宿三丁目』を再び弾き語りで歌った。
 前半戦最後はバンドと共に『廓唄』、『天漢』の2曲で締めくくった。

 今日は8月15日、この日に『亜世's Day ワンマンライブ』を開催するのは今年で3年目。今生きているということ、平和ということ、ふとそんなことも考えられるこの日のライブハウスの空間であったらなぁと思う。
 今年は休憩時間の”世代を超えたフォークな世界”で加川良さんを特集し、”非戦”の思想をも内包している名曲・『教訓T』をカヴァーさせて頂いた。ゲストボーカル・バンジョーギターにいつも”世代を超えたフォークな世界”で僕のお相手を務めてくれている石浦昌之氏を迎えての演奏、彼とは同じ吉祥寺に住んでいるのでしょっちゅう飲んだりしているのだが、一緒にステージに立つのは久しぶり、僕の活動の良き理解者でもあり、今日一緒に演奏できて良かったなぁとそんな風に思う。
 今月の選択制リクエストのテーマは夏にちなんで”太陽”。集計の結果『月と太陽』を歌わせて頂いた。おハガキを紹介しながらリクエストにお答えする。今回は様々な曲のリクエストをいただいたのだが、『あの川のほとり』のリクエストが多かったので、サポートメンバーとの緊急会議で急遽バンドで演奏することになった。急な要請にもかかわらずしっかりと演奏で支えてくれるメンバーにも感謝。

 昭和初期の夏の物語・『浴衣と子猫』。想像力の欠けた時代は哀しい、日常であることのありがたさも薄れ、いともたやすく日常が非日常の地獄絵へと変わってしまった時代があったこと、またなりうることのあること・・・。吉祥寺のオンボロアパートの玄関先に佇む三毛猫の瞳に、そんなことをふと思って書いた出来たての歌だ。そして伝え聞き、聞き伝えていくことの大切さ『NO MORE HIROSHIMAS』をバンドと共に演奏した。
 時代は『アメ玉』へと・・・。客席から自然と手拍子が沸き起こる。色々な想いが心を巡り、非常に嬉しかった。この歌でひとつ、お客さんと繋がっている、そんな喜びに満たされた。嬉しかった。
 ライブとは、歌うこととは、そして生きることとは『一期一会』であるような気がする。今日この日に、この場所で出会えたことに感謝できる自分でありたい。
 Be・Point閉店への想いを語り、『瞳を閉じて...』。
 僕にとってライブハウスは、まさしく一期一会の場所であり、音楽の楽しさを教えてくれた場所であり、大切な大切な場所。その場所と、そしてそこに足を運んで下さって”ライブ”という空間を一緒に創り上げて下さった皆さんに心から感謝の気持ちを込めて、9月15日の50回記念『亜世's Day ワンマンライブ』は一生懸命歌わせていただこうと思っています。

 アンコールは再び石浦昌之氏にもバンジョーで加わってもらって、バンドで『ひろみ湯』を会場の手拍子と共に演奏して、浴衣ライブとなった49回目の『亜世's Day ワンマンライブ』は幕を閉じた。
 舞台は50回記念へと・・・。

 お盆の最中にもかかわらず、沢山の方に足をお運び頂きました。心より感謝申し上げます。ありがとうございました。


<選択制リクエスト候補曲”太陽特集”>
1.「地水火風空」:7票/2.「月と太陽」:9票/3.「夕日の前に佇んで」:3票
 
<お寄せいただいたリクエスト曲>

「あの川のほとり」:4票/「昭和時代」:2票/「ひろみ湯」:2票
/「白黒の子守唄」1票/「Cry」:1票

2006.7.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.48
at
吉祥寺
Be・Point


【晴→雷雨→晴】
<Stage1>
1.僕らの時代は風に吹かれて
 (バンド)
2.おかえり(バンド)
3.廓唄(バンド)
4.がんばるまっし
5.古の海より(新曲)
6.タンポポと少年
7.瞳を閉じて...(バンド)
8.アメ玉(バンド)

【松田亜世と石浦昌之の
世代を超えたフォークな世界
第4話〜吉田拓郎〜】


<Stage2>
【松田亜世のフォークな世界】
1.イメージの詩(吉田拓郎/バンド)
【リクエストコーナー「犀音庵」】
2.いつかの空(選択制リクエスト)
3.青春の空(選択制リクエスト)
4.上野
5.一期一会(バンド)
6.ひろみ湯(バンド)
7.夜明けの月
8.天漢(バンド)

<アンコール>
1.君の待つ海(バンド)

《サポートバンド》
  A.Guitar:
西村健
  Percussions&Chorus:木内健
  Bass:山さん


 7月に幕を落としたこの亜世's Day ワンマンライブ。今回から5年目に突入し、来る9月15日にはお陰さまで50回、ひとつの大きな区切りを迎えます。毎月一回、この吉祥寺で皆さまと同じ時間を共有させて頂けること、心より感謝申し上げます。
 「あなたに会えてよかった」と、ひとつひとつの出会いを大切に歌って生きたいと思います。
 そして天漢(天の川)の物語のように、再びこの日に巡り合うことが出来たなら…。
 それぞれの旅の途中で、ひとつひとつの想いの中で、その心を旅する気持ちでこの時間をお過ごし頂けたら幸いです。
 週末の吉祥寺、どうぞごゆっくりお過ごし下さい。

ワンマンライブパンフレットより

 ジメジメとした梅雨の真夏日が続いていた。この日も朝からの強い日差しから一変、昼過ぎにはこれでもかといわんばかりの雷雨。我が家も停電するほどの雷。先月に引き続き、亜世's Day ワンマンライブ雨の伝説が続くかと思いきや、みんなの祈り通じて再び晴れた。

 そして7月の3連休初日の夜、48回目の亜世's Day ワンマンライブが幕を開けた。連休ということもあって、東京はもとより、北陸からのお客さんも何組もいらっしゃって、非常に嬉しかった。それに加え、夏を迎える気持ちというものなのだろうか、リハーサルから本番が待ち遠しいといった感じ。毎月一回、お客さんと歌を通して時間を共有できること、それが何よりもありがたい。

 ステージはサポートメンバーとのバンド演奏からスタート。オープニングからバンドで演奏するのは初めてのことかもしれない。今回は4月以来3ヶ月ぶりのベース・山さんがお馴染み”W健”(ギター:西村健/パーカッション&コーラス:木内健)に加わり、男四人衆、音にも厚みが出た。吹雪の中の『廓唄』まで一気に演奏する。

 その後ステージは弾き語りコーナーへと入っていく。
 『がんばるまっし』と能登をイメージして書いた新曲・『古の海より』の間は、これまた初の試み、金沢弁トークコーナー。松田亜世が金沢弁で喋りまくるちゅう訳きゃ(笑)。「まぁ、ちょっこ〜しやけど、金沢弁で喋るさけぇ、聞いてたいね。(【訳】まぁ、少しですが金沢弁で喋るので聞いて下さいね。)」と・・・。普段はステージ上で澄ましている自分を実感、いざ金沢弁で喋ろうとすると異様な緊張が身体を巡った(苦笑)。
 ”ほっでも、田舎モン丸出しでぇ、こんながに喋るがもぉ、なんやら素直〜な気持ちで歌とえるような感じもすっさけぇ、続けていっかなぁと、ほんながに思とるがや。ほして、このライブにおいでたお客さんにもぉ、金沢を旅しとるような気持ちになってもらえたら嬉しぃなぁちゅうがに思うげんわ。(【訳】それでも、田舎者丸出しで、こんな風に喋るのも、なんというか素直な気持ちで歌えるような感じもするので、続けていこうかなぁと、そんな風に思ってます。そして、このライブにいらっしゃったお客さんにも、金沢を旅しているような気持ちになってもらえたら嬉しいなぁと思います。)

 標準語に戻って『タンポポと少年』を挟み再びバンドとの演奏。『瞳を閉じて...』を歌いながら、やがて迎える50回の節目が近づきつつあることを実感。お客さんの手拍子を頂きながら『アメ玉』で1stステージを締めた。
 この日のお客さんとの一体感、素晴らしいお客さんに恵まれて幸せだなぁと思った。いつもにも増して会場の空気が温かかったのが印象的なライブだった。

 2ndステージはラジオ風番組”世代を超えたフォークな世界”に引き続き、吉田拓郎さんのデビュー曲『イメージの詩』をバンドで演奏する。とても長い歌なのだが、「歌ったぞ!」という重みのある歌。こうしてフォークの先輩方と、その作品を歌わせて頂くことによって世代を超えて繋がっていけたらいいなぁと思う。
 続く恒例選択制リクエストコーナー。夏ということで、今月は”空”がテーマ。通常のリクエストで演奏できる歌がなかったので(『夏休み』をリクエストして下さった方、ごめんなさい。) 3つの候補曲の中から票の多かった2曲を採り上げることにした。モンゴルの空から生まれた『いつかの空』、力強い青春応援ソングといったところの『青春の空』。
 さらに、忘れられない中学時代の修学旅行の想い出話をした後、『上野』を久々に弾き語りで歌う。

 再びサポートバンドに登場してもらって、『一期一会』、手拍子を頂きながら木内健とのカズーでのハモリなども盛り込みつつ『ひろみ湯』、久々に歌った弾き語りの『夜明けの月』、七夕の夜に願い事を掛けたあの頃の純粋な気持ちをいつまでもと『天漢』で本編終了。
 そして最後は、お客さんの手拍子と共に『君の待つ海』を夏に向けて力強く演奏できた。連帯感が非常に嬉しかった。

 素敵なお客さんと、このライブで一期一会の出会いを重ねさせていただいている事、何よりもの財産です。本当にありがとうございます。
 またお会いしましょう!!
 9月15日、いよいよ50回の記念ライブを迎えます。ありがとうございます!


<選択制リクエスト候補曲”空特集”>
1.「この空の下」:1票/2.「いつかの空」:13票/3.「青春の空」:11票
 
<お寄せいただいたリクエスト曲>

「夏休み」(吉田拓郎)

2006.6.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.47
at
吉祥寺
Be・Point


【雨】
<Stage1>
1.海の唄
2.都鳥
3.がんばるまっし
4.今宵、雨の中(with A.Guitar)
5.月と太陽
6.タンポポと少年(新曲)
7.ひろみ湯(バンド)
8.おかえり(バンド)

【松田亜世と石浦昌之の
世代を超えたフォークな世界
第3話〜友部正人〜】


<Stage2>
【松田亜世のフォークな世界】
1.一本道 (友部正人)
【リクエストコーナー「犀音庵」】
2.永遠〜Forever〜
 (選択制リクエスト)
3.荒野を越えて(リクエスト)
4.廓唄(バンド)
5.一期一会(バンド)
6.天漢(バンド)
7.白黒の子守唄(バンド)
8.アメ玉(バンド)

<おまけ>
1.あの川のほとり(バンド)

《サポートバンド》
  A.Guitar:
西村健
  Percussions&Chorus:木内健


 お陰さまで27歳を迎えた6月、紫陽花の似合う季節になりました。花の色を変え、梅雨から夏へと季節を誘う紫陽花の花。
 ”ジメジメ”した梅雨、というと非常に重苦しい気持ちになりますが、”しっとり”とか”しっぽり”とかいうと梅雨に対する新たな視点が生まれます。
 「白か?黒か?」ではなく、灰色を大切にしてきた日本に雨は似合っているのかもしれません。
 雨が想い出をゆっくりと滲ませ、また新たな季節へ、そして新たな道へとこの季節は導いてくれているような、そんな気がします。
 ”逃げないで逃げないでまたもう一つ
 年を重ねてゆくけどあなたはあなたでいて”

 新たな歳、ひとつひとつの出会いを大切に歌って生けますように・・・。
ワンマンライブパンフレットより

 やはり6月は雨・・・。
 ”亜世's Day ワンマン=雨”の方程式が去年まで成立していたのだが、今年はこれまで順調に晴れの日が続いていた(終演後雨になったことこそあったが)。
 今日は土砂降り。いや、それこそ梅雨らしくていいのだ。梅雨は梅雨らしく、そうやって自然と向き合ってきた長い歴史があるのだから・・・。(とはいえ、『今宵、雨の中』の呪いか、これを歌うと雨が降るような気がしてならない(笑)。)

 さて、27歳スタートのワンマンライブである。と意気込んでいたようで、なんだか不思議と自然体のステージが出来たような気もする。
 開演のアナウンスが終わると波の音が聴こえ、生まれる前の微かな記憶を手繰り寄せた『海の唄』で今日のステージの幕が開く。前半戦は弾き語りの曲が続く。
 『今宵、雨の中』と『月と太陽』、雨の季節には別れの歌が似合う。雨はしっとりと傷を癒してくれる、そんな存在でもあると思った。続く新曲『タンポポと少年』、幼き日々の泥んこの力強さを想い出しながら書いた歌。コンクリートの間から立派に顔を出すタンポポはやはりカッコイイと思う。
 お馴染みとなった『ひろみ湯』、先月に引き続き『おかえり』をバンドで演奏する。地域の繋がりだとか、世代の繋がりとかが稀薄になってしまった時代だとよく言われるが、歌にはみんなが素っ裸の心で寄り添える、そして世代を超えられるそんな力があると思う。世代を超え(世代を超えるということは文化を継承するということでもある。)、地域とつながり、そんな銭湯みたいなライブを創っていけたらとそう思う。

 休憩時間のラジオ風番組”世代を超えたフォークな世界”に引き続き、友部正人さんの『一本道』を”松田亜世のフォークな世界”ではカヴァー。この歌に惹かれて中央線に住み続けている僕がいる。”東京”が辛い時、何度も聴いては泣いた。
 恒例となった選択制リクエストコーナー、今月は”Juneブライド”ということで、これまで結婚式の為に作って歌った歌3曲の中から投票して頂いた。昨年結婚、来月第一子が誕生する親友の結婚式で歌った『永遠〜Forever〜』が選ばれた。お寄せ頂いたお葉書を紹介しながら、『荒野を越えて』のリクエストにも応えさせて頂いた。世の中サッカーW杯の真っ只中だが、世界的なスポーツイベントを観ているとその裏側で起こっている事をしばし考えたりもする。そういった意味では非常にタイムリーなリクエストに感謝。

 後半はお馴染みの歌を一気にバンドで演奏した。
 ”故郷”とは生まれた場所という意味だけではなく、家族であったり、友人であったり、人それぞれの原点の場所。いつか帰るべき”故郷”に恥ずかしくない自分でありたいとそう思う。そんな気持ちを込めて『あの川のほとり』を歌って、27歳最初のワンマンライブのステージを締めた。

 そしてまもなくこの亜世's Day ワンマンライブは、50回の節目を迎える。


<選択制リクエスト候補曲”Juneブライド特集”>
1.「旅立つ友へ」:3票/2.「人」:0票/3.「永遠〜Forever〜」:13票
 
<お寄せいただいたリクエスト曲>

「荒野を越えて」

2006.5.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.46
at
吉祥寺
Be・Point


【晴】
<Stage1>
1.都鳥
2.がんばるまっし
3.雨上がりの新宿三丁目(新曲)
4.廓唄(バンド)
5.僕らの時代は風に吹かれて
 (バンド)
6.一期一会(バンド)
7.Cry(バンド)
8.桜唄(バンド)

【松田亜世と石浦昌之の
世代を超えたフォークな世界
第2話〜シバ〜】


<Stage2>
【松田亜世のフォークな世界】
1.イムジン河
 (ザ・フォーク・クルセダーズ/バンド)

【リクエストコーナー「犀音庵」】
2.少年X(選択制リクエスト)
3.昭和時代
4.ひろみ湯(バンド)
5.白黒(モノクローム)の子守唄
 (新曲)

6.朝は牛乳配達とどろんこ単車
 (新曲)
7.おかえり(バンド)
8.アメ玉(バンド)

<おまけ>
1.天漢(バンド)

《サポートバンド》
  A.Guitar:
西村健
  Percussions&Chorus:木内健


 今月は新しい歌を3曲携えて、このワンマンライブに臨むことができる。1ヶ月の間に3曲書いたのは久々のこと。何かに突き動かされるように書けた事が純粋に嬉しい。
 曲作りは孤独な作業だが、時にもう一人の自分に出会えたり、”何もの”かの存在を感じたり、それもまた一期一会。
 僕が「昭和」に惹かれこだわるのは、人間同士温度のある繋がりを大切にしたいと思うからというのが一つの理由。銭湯であれ街角であれ学校であれ、人間対人間の繋がりが確かにあった。そんな時代を少しばかりかじった世代として、そんな時代に親父やお袋が青春を送ったお陰で生まれた僕らの世代として、歌って生きたい。
 今日も温もりある一期一会でありますように。
ワンマンライブパンフレットより

 今日も天気は良かった。寒い日も続く5月の移ろいやすい気候だったが、今日は心地のよい天気。今月も”この日”がやってきた。
 今回は、3曲の新曲を携えてのワンマンライブ。前回は、どちらかというと楽しさとか、親しみやすさに重点を置いたライブになったので、今月はしっかりと”歌”を聴いていただけるステージにしたいと思っていた。
 不順な天候と生活が祟っての風邪からも回復し、楽屋にスチーム吸入器を持ち込んで万全の態勢で臨んだ。やはりステージ前に喉に潤いを与えてあげると、歌っている時の感覚が凄くいいのだ。

 さて、今日のステージは『都鳥』、『がんばるまっし』の最近お馴染みの2曲から始まる。新宿の寄席とロケット団のお二人の物語『雨上がりの新宿三丁目』(新曲)、芸繋がりで『廓唄』からバンドと共に演奏。今日のサポートは”W健”。木内健と西村健、本名が字まで一緒な”タケシ”。これまた不思議な縁だ。
 「毎回回を重ねてこの吉祥寺で会えたこと。その出会えた皆さんを前にこの歌を歌えることを凄く幸せに思います。」と歌わせていただいた『一期一会』から、『Cry』、『桜唄』は、過ぎ行く春への想いを込めて。いつもピアノの弾き語りでお届けしている『Cry』だが、今回は西村健のギターの伴奏で歌った。歌に集中すること、これからも大切にしていきたい。

 後半戦は「松田亜世のフォークな世界」からスタート。お客さんからのリクエストも多かった『イムジン河』。「今日の松田亜世のフォークな世界は、ザ・フォーク・クルセダーズの『イムジン河』です。」と言うと、客席から拍手が起こる。そんな空気がとても嬉しかった。
 続いて、先月からはじめた選択制リクエストコーナー。”5月→メーデー→社会派ソング”という発想で(笑)、『愛煙家の哀歌(エレジー)』・『少年X』・『渋谷のピエロ』の3曲から『少年X』が選ばれた。

 鉄道に夢を乗せた”昭和”という時代、惜しまれつつ前日閉館した交通博物館の思い出話をしながら『昭和時代』を歌った。桶ギターに持ち替えての『ひろみ湯』、さらには新曲2曲まで、僕の中での”昭和”をテーマにした楽曲が続き、『おかえり』、『アメ玉』へと繋がっていく。
 新曲『白黒(モノクロ−ム)の子守唄』は、昭和30〜40年代の吉祥寺の写真集から生まれた歌。眠りについた少年が、牛乳配達の自転車の音で目が覚める『朝は牛乳配達とどろんこ単車』へと繋がる。僕らの世代にも、親父やお袋の世代からのDNAとして確かに息づいているであろう”昭和”の血。直接見た情景ではないものもあるが、想像する作業にリアリティーを感じて出来た歌達。

 そして最後は僕らの”今”、明日への願いを込めて『天漢』を歌わせていただいて5月のワンマンライブを締め括った。

 さて、今回のワンマンライブで26歳に別れを告げ、次回のワンマンライブは27歳最初のワンマンライブ。良き出会いをまた重ねて生きたい。


<選択制リクエスト候補曲>
1.「愛煙家の哀歌(エレジー)」:2票/2.「少年X」:5票/3.「渋谷のピエロ」:4票
 
<お寄せいただいたリクエスト曲>

「月と太陽」(2通)

2006.4.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.45
at
吉祥寺
Be・Point


【晴】
<Stage1>
1.昭和時代
2.がんばるまっし
3.都鳥
4.井の頭公園
5.Cry(with A.Guitar)
6.桜唄(バンド)
7.一期一会(バンド)
8.瞳を閉じて...(バンド)

【松田亜世と石浦昌之の
世代を超えたフォークな世界
第1話〜高田渡〜】


<Stage2>
【松田亜世のフォークな世界】
1.生活の柄(高田渡・バンド)
【リクエストコーナー「犀音庵」】
2.Myself
 (
ロケット団倉本さんリクエスト・長渕剛)
3.静江(選択制リクエスト・バンド)
4.廓唄(バンド)
5.僕らの時代は風に吹かれて
 (バンド)
6.あの川のほとり(バンド)
7.ひろみ湯(新曲・バンド)
8.アメ玉(バンド)

<アンコール>
1.天漢(バンド)

《サポートバンド》
  A.Guitar:
西村健
  Percussions&Chorus:木内健
  Piano&Chorus:村上通
  Bass:山さん



 桜の華やぎも終わり、また新たな春が動き始める。9年目の”東京”が始まる。
 ポカポカと暖かい土曜日の開催、先月のサポートメンバーにベースも加わり、気分は自然と乗っていった。
 お客さんにも沢山お集まり頂き、ゆったりと椅子席はほぼ埋まった。遠く栃木、さらには地元石川からわざわざこのワンマンライブの為に足を運んで下さった方もあり、とても嬉しかった。

 開演前の楽屋は、先月に引き続き修学旅行模様。笑いすぎて喉を痛めないように気をつけなければヤバイ(笑)、そんな感じ。いつものようにバンマス・西村健の音頭で出陣の”儀式”、「さぁいくぞ〜」と相成る。気持ちのまとまりは音に反映されるから、何気に大事な”儀式”なのだ。

 お馴染み『昭和時代』から幕が開く。この春から故郷を後にした人たちに向けて『がんばるまっし』、『都鳥』。桜にちなんだところで『井の頭公園』、『Cry』、『桜唄』。桜の花の儚さ、流れてゆくものあれど、その中にあって流れぬ真実『一期一会』。”あなたに会えてよかった”と『瞳を閉じて...』。

 休憩時間は、吉祥寺在住の音楽雑文家・石浦昌之氏と繰り広げるラジオ番組風コーナー【世代を超えたフォークな世界】が、今月からスタート。第1話は、翌日(4月16日)一周忌を迎える吉祥寺の偉大な先輩・高田渡さん。
 10分間で話しは尽きる筈もなく、「渡さん、ありがとう。」の気持ちを込めて後半は、名曲『生活の柄』をバンドで演奏することからスタートした。

 さらに、国立演芸場花形演芸大賞銀賞を受賞したばかりの漫才コンビ・ロケット団から倉本さんが客席に遊びに来て下さっていたので、ステージ上にお呼びする。この前お会いした時にリクエストされた『Myself』を歌う。もちろん、その前にトーク。鋭いツッコミが飛んでくる。漫才的なものをステージ上で初体験。これは凄いパワーである。考えもしないところでボケようとしている僕もいた(笑)。矢のようなトークに半ば圧倒されながらも、喋りとは、笑いとは、深いものだと感じ、そのエネルギーを目の当たりにした。
 その力を胸に、精一杯、僕にギターを持たせた人の歌『Myself』を歌わせていただく。倉本さんにはそのままステージでこの歌を聴いて頂いた。自分の原点を歌うのは、少々気恥ずかしいものなのだが、新曲『ひろみ湯』にちなんで、裸になった気分で、裸の付き合いの気持ちで歌った。倉本さんも僕も目頭を熱くした。歌とは力である。もっともっとまっすぐ生きていけますように・・・。何かが生まれたような気がする。出会いに感謝。

 さて、リクエストコーナー。今回は志向を変えて、1stステージ中にサビだけ3曲歌い、その中からフルコーラスで聴きたい曲を投票してもらうという形式。春なので、なんとなくラブソングが歌いたくって、ラブソングを3曲チョイス。10年近く前の歌も入っていたので、照れ臭さもかなりありつつもいざ結果発表。『春の日に』と『静江』が同数で並んだので、急遽西村健と木内健のジャンケンで『静江』に決定。これまた急遽演奏にバンドも加わってもらう。臨機応変対応してくれる仲間にも感謝です。

 その後は、ベースも入りより重厚感が増し、安定したサポートバンドと共に演奏。
 そして、ミスター田村・戦後最大の詩人・田村隆一の「銭湯すたれば人情もすたる」の詩に導かれて、歌った新曲『ひろみ湯』では、松田亜世が桶ギターを弾き、修学旅行の風呂場のようなセッション、これまた楽しい。忘れかけた昭和の、いや日本文化の遺産、銭湯がテーマ。さらに大きな手拍子を頂きながらの『アメ玉』へと続き本編が終了。

 アンコールを頂き、新たなアレンジで臨む『天漢』で締め括った。夢や希望が輝く世界でありますように・・・。

 サポートメンバーはじめ音楽仲間との出会い、倉本さんはじめビーポイントでの出会い、そして会場へ足をお運び頂いたお客様との出会い、本当に嬉しい。これは歌い続ける上で、なくてはならない貴重な財産であると改めて思います。
 今日のステージをまたひとつ力に、よりよい歌を目指して歩いて生きたい。
 本当にありがとうございました。2006年春、よきスタートが切れました。ありがとうございます。


<選択制リクエスト候補曲>
1.「エレナ」:1票/2.「春の日に」:11票/3.「静江」:11票
 →同数の為、W健によるジャンケンにより”3.「静江」”に決定。

<お寄せいただいたリクエスト曲>

「青の時代」/「浅草キッド(ビートたけし)」(2通)/「祭りのあと(吉田拓郎)」

2006.3.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.44
at
吉祥寺
Be・Point


【晴】
<Stage1>
1.東京の雪(新曲・with A.Guitar)
2.雪国の少女(with A.Guitar)
3.都鳥
4.がんばるまっし
5.灰色の空(with A.Guitar)
6.夜明けの月
7.一期一会(バンド)
8.天漢(バンド)


<Stage2>
【リクエストコーナー「犀音庵」】
1.昭和時代(リクエスト)
【松田亜世のフォークな世界】
2.案山子(さだまさし・バンド)
3.井の頭公園
4.あなたに会えてよかった
5.廓唄(バンド)
6.あの川のほとり(バンド)
7.僕らの時代は風に吹かれて
 (バンド)

8.アメ玉(バンド)

<アンコール>
1.瞳を閉じて...(バンド)


《サポートバンド》
  
A.Guitar:西村健
  Percussions&Chorus:木内健
  Piano&Chorus:村上通



 目覚めると晴天。暖かい春の日差しが吉祥寺の街を照らしていた。井の頭公園の梅の花も色づき、3月の緩やかな一日が流れていた。今回、パーカッションで参加してくれる木内健が早めに吉祥寺に着いたというので、井の頭公園が見えるお気に入りの喫茶店で一緒にコーヒーを飲んで会場入りまでの時間を過ごした。木内健とは高校時代から10年来の仲だ。そして、第一回の亜世's Day ワンマンライブのゲストでもあった。「10年経って、こうしてまた一緒に音楽を出来るって嬉しいね。」ってな話をした。縁ある仲間とステージに立てる、これはとても幸せなことだ。
 1ヶ月ぶりのギターは西村健、初参加のピアノ・村上通。男4人がステージに上る。ステージを下りれば楽屋はさながら修学旅行の男部屋の様。どこかに10代のスピリットを持ち続けているから、わかり合える瞬間がある。

 新曲『東京の雪』からステージは始まる。一昨日完成した曲に西村健のギターが加わる。北陸で見る雪と東京で見る雪は明らかに違う。続く『雪国の少女』はまぎれもなく北陸の雪。長い冬は辛いが、この季節になってしまうと、雪の季節の終わりはどこかしら淋しくも感じられる。その名残を惜しむかのように『灰色の空』。
 続く『夜明けの月』は高校時代からの曲。奇しくも8年前の3月15日(1998年3月15日)は、金沢での初ワンマンライブの日。その時のタイトルがこの『夜明けの月』だった。高校の卒業式の翌日、上京を前にしてのワンマンライブ。いつも支えてくれる故郷の声、この歌を歌いながら9年目の春がスタートすることを噛みしめていた。
 前半戦ラストの2曲は、お待ちかねサポートバンドを交えての演奏。楽屋のやり取りがステージ上にもやってくるから、MCもいつにも増して長くなる(笑)。しかしまぁ、男四人も集まればろくな事を考えないのだから、これまた面白い。

 休憩を挟んでのリクエストコーナーは、『昭和時代』。聴きたいと仰ってくださる方がいて、大事にしたい一曲です。松田亜世のフォークな世界では、先月に引き続きさだまさしさんの『案山子』を、今度はサポートバンドも交えてお届けした。旅立ちの季節なので、お寄せ頂いたお葉書をもとに、メンバーも交えて上京時代の話なども展開。今年もまた、新たに夢を背負って”東京”へ出てくる後輩たちがいるのかと思うと、『案山子』の歌詞がまた深く感じられた。続く『井の頭公園』、『あなたに会えてよかった』は、旅立ちのこの季節の歌。
 三味線の音に導かれるように『廓唄』。バンドサウンドでより情景が浮かべば嬉しい。
 誰もが大切にして欲しい故郷を想い『あの川のほとり』。そして『僕らの時代は風に吹かれて』、会場からの手拍子も頂き『アメ玉』をバンドで演奏。
 いつもより多く喋り、少し遅くなってしまったのだが、最後に『瞳を閉じて...』を歌わせてもらった。ひとつひとつの出会いを大切にしたい。そんなあたりまえのことを感じた春の一日。

 4月15日、今からもう来月のステージが楽しみだ。


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「昭和時代」

2006.2.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.43
at
吉祥寺
Be・Point


【晴】
<Stage1>
1.昭和時代
2.がんばるまっし
3.雪国の少女(with A.Guitar)
4.月と太陽
5.浅草キッド(ビートたけし)
6.上野
7.一期一会
8.ぼた雪の降る街
 (with A.Guitar)



<Stage2>
【リクエストコーナー「犀音庵」】
1.青の時代(リクエスト)
【松田亜世のフォークな世界】
2.案山子(さだまさし)
3.おかえり
4.都鳥
5.雪月花
6.廓唄(新曲)
7.灰色の空(with A.Guitar)
8.アメ玉(with A.Guitar)

<アンコール>
1.天漢(with A.Guitar)

《サポートメンバー》
  A.Guitar&Chorus:
森トカゲ



 吉祥寺ワンマンライブ当日、いつものように井の頭公園を散歩する。ここ最近の寒さから一変、とても暖かな昼下がり。公園にもやわらかな、とても心地よい時間が流れていた。井の頭弁天さんの近く、梅園の梅のつぼみが今日の暖かさに導かれ、今にも花を咲かせようとしていた。
 毎月一度のワンマンライブ、この恵み深き季節を噛み締めながら歌っていけたら、と思った。春夏秋冬、その遷り変わりは、日本の文化をここまで色濃くさせたとても大きな要因だと思う。去りゆく故に愛しい。そして、また巡り来るが故に喜びがある。
 ちょうどトリノオリンピックの真っ最中。オリンピックのアスリート達は、4年に一度の季節に全てをかける。そのプレッシャーといったら・・・。そう考えた時、毎月歌えることへの感謝の気持ちを覚えずにはいられなかった。さぁ、今日も精一杯やろう!

 今回はアコースティックギターとコーラスに森トカゲさんを迎えた。僕と同じ、石川県出身。より北陸色を出したサウンドへの挑戦という意味合いがあった。先月末のAcoustic Night終了後から準備し始めたので、5曲を仕上げるのに手一杯。あとはどこまで”歌”に近づける二人の演奏が出来るかということだけ。とはいえ、『雪国の少女』、『ぼた雪の降る街』、『灰色の空』といった冬の金沢3部作は、さすが同じ北陸人、音で見事に雪を降らせてくれた。

 後半戦は、リクエストコーナーから。今回はバラエティーに飛んだリクエストをお寄せいただいた。毎回、お寄せいただくお葉書とリクエスト、これが何より楽しみなのです。悩みながらもリクエストは、かなり久々に『青の時代』を歌った。

 その後は、僕なりに描いてみたかった日本の情の世界の歌が続く。さだまさしさんの名曲・『案山子』から『おかえり』。時に争いの元になる愛国心ではなく、誰もが心に抱いている”ふるさと”ということ、これを描いて歌って生きたい。

 室生犀星の詩の朗読に続いて『都鳥』、『雪月花』、新曲『廓唄』。より”和”の世界へ・・・。井上雪さんの「廓の女」という小説をモチーフに、僕なりに金沢の花街の世界を背景に『廓唄』を描いた。春を待つ芸に生きる女性。やはりそこには灰色の空が横たわっていた。しかし、やがて訪れる”華舞う季節”・春に向かって強く生きていく姿・・・。

 そう、来月はもう春間近。


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「青の時代」(2通)/「あの川のほとり」(2通)/「夜明けの月」/「井の頭公園」/「今宵、雨の中」/「昭和時代」/「プカプカ」

2006.1.28
Acoustic Night
vol.3 in 吉祥寺

at
吉祥寺
Be・Point


【晴】
1.都鳥
2.がんばるまっし
3.雪国の少女(with A.Guitar)
4.アメ玉(with A.Guitar)
5.天漢(with A.Guitar)

《サポートメンバー》
  A.Guitar:西村健


ギターの西村健と。
Photo by おかもとちか

 昨年末、40回記念の亜世's Day ワンマンライブを観に来てくださったプロデューサーの小見山さんから「1月に吉祥寺で”Acoustic Night”をやろう。」というお話を頂く。準備等にも関わらせて頂いて、4アーティストとゲスト、計5組による2時間強のイベントがスタートする。久々のイベント創り、色々勉強させて頂いた。

 1月は恒例の亜世's Day ワンマンライブに、漫才コンビ・ロケット団さんの定例集会のゲスト、そして今回のイベント。いつもと違ったステージも展開したいとの想いもあって、このイベントはアコースティックギターの西村健と二人での演奏に決めた。バンドスタイルよりも、アコースティックギター2本という繊細さも手伝って、リハーサルは入念に行う必要があった。これもまた二人の息がより合ってきたり、新たな発見も多くて心躍る音楽世界。

 水の音に室生犀星の「小景異情」(ふるさとは遠きにありて思ふもの・・・)の朗読からスタート。5組中、3組が石川県出身というイベントのトリを務めるということで、北陸ならではの世界観をどうしても描き切りたい想いもあって、『都鳥』、『がんばるまっし』、『雪国の少女』を歌う。
 『アメ玉』では、当日満席の客席から大きな手拍子を頂き、忘れられない一曲にもなった。
 「心貧しき時代だとか言われますが、今日ステージに立ったひとつひとつの歌に、温もりは確かにあったと思います。その”ひとつひとつ”の想いが響き合い、そして今夜感じ合えたこと、これは非常に大きな財産だと思います。そして、その大切な想いが、夜空に輝く満天の星空のように、そしてまたみなさんの夢や希望、願い、その”ひとつひとつ”が、精一杯輝きますように・・・。」
 そして、最後に祈りを込めて『天漢』を歌わせていただいた。
 ここからまた何かを始めたい、そんな気持ちになったイベント出演だった。

 久々に始発電車の走る吉祥寺の朝まで、打ち上げで盛り上がれたのもまた、イベントの楽しみ、心騒ぐ音楽世界・・・(笑)。

2006.1.15
亜世s Day
ワンマンライブ
vol.42
at
吉祥寺
Be・Point


【晴】
<Stage1>
1.都鳥
2.がんばるまっし
3.灰色の空(with A.Guitar)
4.雪国の少女(with A.Guitar)
5.月と太陽
6.雪月花
7.井の頭公園
8.夜明けの月


<Stage2>
【リクエストコーナー「犀音庵」】
1.プカプカ(ディランU)
2.昭和時代
【松田亜世のフォークな世界】
3.浅草キッド
 (ビートたけし/with A.Guitar)
4.ぼた雪の降る街(バンド)
5.あの川のほとり(バンド)
6.Lily(バンド)
7.一期一会(バンド)
8.アメ玉(バンド)

<アンコール>
1.天漢(バンド)

《サポートバンド》
  Piano&Chorus:
吉田佳奈子
  A.Guitar:
西村健
  Percussions:デミエン


 新年、明けましておめでとうございます。
 新たな年、どのような場所で、どのような想いで迎えられましたでしょうか?
 僕は大雪の金沢で新年を迎えました。見渡す限りの白き世界、やはり幼い頃から慣れ親しんだ僕の原風景でした。そして、大晦日までの灰色のどこまでも暗い空から一変、元旦の晴天は美しかった。時に見せる真冬の青空だけに、その深い青さが一層純真なる雪の白さに映えるのです。
 春を待つ北国人の心、真冬の束の間の青空に夢や希望を描き、その先にある雪解けの清らかな流れのように生きてゆけたなら、歌っていけたなら・・・。
 さぁ、今年も歌って生きます。
ワンマンライブパンフレットより

 2006年のライブ活動スタートの日、新たな年の歌い始めである。これまで雨が多かった毎月15日であるが、この日の昼間は快晴!日曜日の吉祥寺はポカポカと気持ちがよかった。
 いつものように井の頭弁天さんにライブの成功祈願をして会場入りをした。よりよいステージを創りたい、この亜世's Day ワンマンライブへの強い想いだ。歌をつくり、人と人とで響きあい、触れ合う場所が一番大切。「今日もあなたに会えてよかった」と、お互いに感じあえるそんな場所が、このライブハウスでありたいと願う。そうして歌は生きてくるのだと思うから・・・。

 今年のステージは『都鳥』から幕を開けた。そして『雪国の少女』までは、故郷と冬にちなんだ歌が続く。僕自身想い入れの強い『灰色の空』は、僕のピアノの弾き語りに、アコースティックギターの西村健が入ったヴァージョンでの初めての演奏。
 続く『月と太陽』から前半ラストの『夜明けの月』までは、月と日本の四季に関わる歌を並べた。映画「SAYURI」を観て、日本的美意識を改めて認識した後で歌う『雪月花』には力が入った(笑)。「これが和や、日本や!」と胸を張って言える、そんな歌も書いていきたい。

 後半戦は、既にお馴染みとなったリクエストコーナーから。『Cry』を歌おうと思ってピアノに座るが、他に頂いたリクエストを紹介している中で、急に『プカプカ』の方が歌いたくなってギターに持ち替えて演奏。こういうのもライブですよね?(笑)
 そして、『昭和時代』、昭和の名曲『浅草キッド』。ここで、平成の浅草芸人NO.1を目指す漫才コンビ・ロケット団さん(1/24のロケット団さんの単独ライヴに松田亜世はゲスト出演予定)から倉本剛さんが会場にいらっしゃったので、ステージにお呼びして一言頂戴する。いづれこのワンマンライブのゲストで漫才をして頂けたらとても楽しいだろうなぁなどと思ってしまう。

 その後お馴染みサポートバンドをステージに迎え、2ndステージも大詰めを迎える。『ぼた雪の降る街』、『あの川のほとり』と「故郷を感じられた。」という感想を頂けたことがまた嬉しい。
 今日の本編は『アメ玉』で締めくくった。

 アンコールは『天漢』をバンドと共に。
 競争社会が加速する今、「ちょっと立ち止まって月を眺めてみませんか?」という想いを1stステージ後半のメッセージに込めた。月とは”お陰さま”の存在の象徴だと思う。そこに今失われた”何か”がある気がしてならないというのが僕の想い。そして、「たまには立ち止まって星空に夢を描いてみませんか?」という想いも込めて最後に『天漢』を歌った。
 2006年、ひとつひとつの想いや夢や希望が、夜空の天の川の如く、ひとつひとつ輝きますように・・・。

 今年もどうぞ宜しくお願い致します。


<お寄せいただいたリクエスト曲>
「プカプカ」/「Cry」/「天漢」

© 2000-2006 Asei Matsuda




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