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松田亜世ライブレポート
2017年



 ライブに寄せられたファンの声は・・・こちら

日時/会場 演目 (Set List) レポート
2017.9.30
松田亜世
ワンマンライブ

at
金沢
もっきりや



北國新聞社後援

【晴】
<Stage1>
1.大地と空と君と僕(新曲・with松月)
2.弁当忘れても傘忘れるな
3.我は自由の境地なり
4.骸骨の唄
5.風吹くままに(with Violin)
6.鏡(with Violin)
7.瞳を閉じて...(with Violin&Chorus)
8.一期一会(with Violin&Chorus)
9.夜明けのバラード

 〜お仲入り〜

<Stage2>
1.越のしらやま
2.鳥越にて
3.バイバイ!トーキョー(with松月)
4.がんばるまっし(Vocal:望月彌名子)
5.廓唄(Vocal:望月彌名子)
6.迷いの海(with Violin)
7.0(with Violin&Chorus)
8.坂の途中(with Violin&Chorus)
9.ひろみ湯(with Violin&Chorus)

<アンコール>
1.犬が西向きゃ尾は東(with Violin)
2.月(with Violin&Percussions)


《ゲストミュージシャン》
Violin
多ヶ谷樹
Vocal&鍵盤ハーモニカ&Percussions:望月彌名子(From松月)


 2007年3月、僕の最初のミニアルバム『がんばるまっし』が発売されてから今年で10年・・・。その間シングル『思ひ出雪』(2007年)、アルバム『おかえり』(2009年)、アルバム『0<ゼロ>』(2014年)と発表することもできました。
 この10年は、僕にとって激動の10年でもありました。高校卒業と同時に住み始めた“東京”を13年で離れ、一旦この街ふるさと・金沢に帰り、そしてはじまった京都生活も、今年で丸6年になりました。今日は、2014年11月のアルバム『0』の発売記念ライブ以来3年ぶりの金沢ライブ。ふるさとで3年ぶりのライブというのは、随分久しぶりやなぁという気がします。とはいえ、あっという間の3年間でもあり、その間曲がなかなか書けないというスランプにも陥ったり…。娘も生まれ、新しい家族の中で生きるということで生活も劇的に変わり、見える景色も違ってきたような気もします。
 今夜は、そんな3年間に書けた新しい曲もいくつか持って帰ってきました。ふるさとへのお土産は、僕にとっては新しい歌達です。
 ステージを彩ってくださるミュージシャンには、バイオリンに東京から多(た)ヶ(が)谷(や)樹(たつき)さんをお迎えします。多ヶ谷さんとは、ミニアルバム『がんばるまっし』のレコーディング以来10年、僕の作品には欠かさずご参加いただき、ライブにも多々ご一緒いただいています。柿木畠のもっきりやさんでのバイオリンの音色も楽しみです。そして、ゲストボーカルには望月(もちづき)彌名子(みなこ)を迎えます。歌というものは、歌い継がれてナンボかな、そんなことを最近思うようになりました。
 歌が歌としてそこに在りますように…。今宵、冬待つ金沢で「今」を精一杯歌わせてください。

  〜 ふるさとの空映したる秋の川 〜  
ワンマンライブパンフレットより













 3年ぶりの故郷・金沢でのワンマンライブ。「おかえり」と言ってくださる方々に迎えられ、前売予約もお陰様でSold Out!!
 開演前には、すでにお店の外までお客さんが・・・。お店の窓を開け放って、急遽外にも座席を作ってご覧いただくことになった。

 それはそれは、柿木畠という町に自然な形で一体となっているもっきりやさんというお店ならではの光景で、歌うこちら側も金沢と自然な形で一体となった会場で歌うのは、本当に楽しかった。金沢の歴史を包むかのような秋風が吹き込む中でのライブとなった。

 3年ぶり…。故郷の街でのライブとしては、間隔が開いたなぁという感じなのだが、いつもながら温かく迎えてくれる故郷の空気は一種独特なものがあり、何とも嬉しい時間なのだ。


 さて、ライブの幕開けは9月にできたばかりの新曲『大地と空と君と僕』から。この曲は全編に渡って望月彌名子のコーラスをフューチャーしたアレンジで、これまでの松田亜世の曲にはない雰囲気を持った曲といってもいい。そうそう、今回のライブから8月に買ったばかりの新しいギブソンのJ45が登場。歌にしっくりとするそのサウンドから、メインギターとして使うことになった。金沢では初のお披露目となる『弁当忘れても傘忘れるな』に続いては『我は自由の境地なり』。世の中にやたらと正義が蔓延り、故に排除や対立を生まんとする空気を感じる今だからこそ、歌っておきたい歌。この歌は、マーチンのD28にギターを持ち替えての演奏。レゲエ調にアレンジした『骸骨の唄』では、会場の皆さんとのコール&レスポンスで盛り上がる。「あれ?、金沢ってこんなに盛り上がったっけ?」というくらいに、大きな声で歌っていただき、一体感を持って「ガイコツ、ガイコツ」の大合唱。そう、性別や年齢、身長や人生経験、顔や肌の色など、みんな違ってもみんな「ガイコツ」ということで一つなのだ。
 『風吹くままに』からは、バイオリンの多ヶ谷樹さんをお迎えして。『鏡』、『瞳を閉じて...』、『一期一会』とバイオリンの音色がもっきりやさんの空間にピタリとはまる。金沢ライブで多ヶ谷さんとご一緒するのは数回目だが、もっきりやさんでご一緒するのははじめてのこと。きっとこのお店の雰囲気と秋の風にバイオリンは、ドンピシャはまるだろうなぁと思っていたので、一緒に音を出す瞬間が楽しみだった。想像通り、何とも心地のいい時間だ。哀愁と、時に情熱をもったバイオリンが、曲を引き立ててくれる。
 前半最後は弾き語りの『夜明けのバラード』にて締めくくった。

満員の客席

 お仲入り休憩を挟んでの後半は『越のしらやま』からスタート。満員のお客様で、トイレも大混雑(ご迷惑をお掛けしました)。今年白山が開山1300年ということで、久しぶりに『越のしらやま』を歌った。久しぶりに歌ってみると、このエンヤトットのリズムが心地よく、会場の皆さんからの手拍子もいただきながら、ゴキゲンに2ndステージがはじまった。
 北陸新幹線も開業し、金沢といえば”加賀百万石”がさらに定着してきたが、”加賀百万石”にはその前の歴史がある。そう、加賀の一向一揆を歌った『鳥越にて』をこれまた久しぶりに歌わせていただいた。
 『バイバイ!トーキョー』は望月彌名子と一緒に。『がんばるまっし』、『廓唄』の2曲は、望月彌名子のメインボーカルでお届けした。故郷と今の自分、僕の中では”トーキョー”がその間にとても大きな存在として根付いているのは確かだが、『バイバイ!トーキョー』が書けたことで、いい意味で少し軽くなったというか、帰る場所のひとつになった、そんな気がする。
 そして、再びバイオリンと一緒に『迷いの海』、『0』、『坂の途中』と続く。18歳まで過ごした故郷・金沢。あれから20年の今年、この街で歌う『坂の途中』には特別な感慨があった。気づけば、故郷離れてからの年月の方が長くなっていた。あっという間のできごとやったなぁと…。そんな自分の歴史と共に客席には、小学校の時の先生や高校3年の時の担任の先生も遊びに来てくださっていて、それもまた故郷ならではでとっても有り難い。
 本編ラストは『ひろみ湯』。もっきりやさんから程近い新竪町に実在した銭湯の唄で、ある意味ご当地ソング。会場のボルテージもさらに上がる。さらに、窓を開けて外にも客席を作ったこともあって、お店の向かいの居酒屋さんから出てきた人たちも巻き込んでの手拍子の嵐・・・。街と一体化したライブ、なんとも温かく心地よかった。故郷、ここに在り!!


 アンコールをいただき『犬が西向きゃ尾は東』と『月』を精一杯歌わせていただいた。
 ステージを降りる時には、時計はちょうど22時をさしていた。休憩時間も含めて3時間のワンマンライブ。ご来場いただいた皆さまに心から感謝です。年に1回は金沢で歌いたいな、とそんなことを思いながら…。


 2017年、東京→京都→東京→金沢と巡ってきたツアー最終日。またお会いしましょう!!ありがとうございました。


2017.7.15
松田亜世
ワンマンライブ

at
西荻窪
Terra


【晴】
<Stage1>
1.骸骨の唄
2.好色男は正直者
3.幸せそうな人たち(カヴァー)
4.盂蘭盆会(with Violin)
5.思ひ出雪(バンド)
6.風待ち唄(バンド)
7.坂の途中(バンド)
8.僕が歌う理由(わけ)(バンド)
9.夜明けのバラード(新曲)

 〜お仲入り〜

<Stage2>
1.ホームにて
2.影
3.バイバイ!トーキョー(with松月)
4.がんばるまっし(with Percussions/Vocal:望月彌名子)
5.廓唄(バンド/Vocal:望月彌名子)
6.一つの海(バンド)
7.0(バンド)
8.迷いの海(バンド)
9.ひろみ湯(バンド)

<アンコール>
1.一期一会(バンド)
2.犬が西向きゃ尾は東(バンド)


《ゲストミュージシャン》
Piano&Chorus:サントリィ坂本

Violin多ヶ谷樹
Percussions:安部徹
Vocal&鍵盤ハーモニカ:望月彌名子(From松月)



 “唄は歌い継がれる”、近頃そんなことを考えています。
 ノーベル文学賞を受賞した直後のボブ・ディランのアルバムはアメリカンスタンダードナンバーのカヴァーアルバムでした。そして、今年4月に亡くなった加川良さんの遺作となったアルバム『みらい』もカヴァーアルバムでした。加川さんのボーカルとアコースティックギターで歌われるブルーハーツの「青空」なんか、とってもカッコいいのです。僕が聴きに行った加川さんの最後の京都ライブでもアルバム『みらい』からのカヴァー曲を演奏していて、それがまた鳥肌ものでした。
 ところが、僕がギターを持ち始めた小学校6年生の頃から、ほんのつい最近まで「シンガーソングライターはオリジナルの唄を歌ってナンボ」という意識が僕自身の中には常にあったのです。故に、大好きなアーティストの新作がカヴァーアルバムだったりすると、正直ちょっぴりガッカリしたりしたものです。
 しかし、唄というのは残るべくして残っていくもの。だとするならば、唄は歌い継がれてナンボかなと近ごろそう思います。風は風として黙ってここに吹いているように、自分の思いを離れてそこに在る唄、そんな唄が書けたら・・・。
  「僕が死んだ後、誰が僕の唄を歌ってくれるだろうか?」、そんなことをちょっと真剣に考えはじめています。

  〜 短夜や流れる唄の届く朝 〜

ワンマンライブパンフレットより


 今年2度目の西荻窪Terraでのワンマンライブ。今年は、東京→京都→東京と3ヶ月に1度のペースでのライブ。9月には久しぶりの故郷・金沢でのワンマンライブも控えている。気分は、ネバーエンディングツアー!!(笑)

 ステージは『骸骨の唄』から幕を開ける。会場にいた3歳になる娘の「ガ〜イコツ♪」の声に、他のお客さんからも薄っすらとコール&レスポンスの声。少しずつではあるが、この曲のライブでのお約束となりつつある。前半3曲は弾き語り。今回のパンフレットにも書いたように、「歌い継ぐ」ということが、最近妙に胸に迫ってくる。加川良さんがカヴァーした犬塚康博さんの書いた『幸せそうな人たち』という曲をアコースティック・レゲエ調で孫カヴァー。人生の本質を歌ったような歌。すごい曲やなぁと思う。こういう歌は歌い継いでいくのがまた、歌い手の仕事なのかもしれない。

 さて、今回のゲストミュージシャンは、1月のTerraライブで好評をいただいたメンバーでの再演。まずは、バイオリンの多ヶ谷さんとの『盂蘭盆会』から。サントリィ坂本さんと安部徹さんが加わって、さらにお馴染みの曲を中心に前半戦は進行していく。
 1stステージラストは半年ぶりに書いた新曲『夜明けのバラード』。ここ数年、なかなか曲が書けない生みの苦しみの中にあるのだが、本当に久しぶりに書けたラブソング。僕自身、すごく気に入っている曲。これからこの唄も育ってくれるといいなぁと思っている。


 仲入り休憩をはさんで、再び弾き語り。夏に歌いたくなる『ホームにて』。何気ない日常から平和を考える。
 『バイバイ!トーキョー』からは、望月彌名子の登場。彼女のボーカルで『がんばるまっし』と『廓唄』の女歌2曲を聞いて頂いた。
 そして、後半戦もバンドでの演奏が続いた。『一つの海』に続いては、『0<ゼロ>』。平和をどこか高いところにおいて理想として追い求めるのではなく、私たちの実は足下に平和ってものはあるんじゃないだろうか、そんなことを語りながら・・・。
 バイオリンとピアノが情景を紡ぎだしてくれた『迷いの海』、本編ラストは会場全体の手拍子とともに『ひろみ湯』。


 アンコールをいただき、『一期一会』と『犬が西向きゃ尾は東』を歌わせていただいた。『犬が西向きゃ尾は東』は、バイオリンとパーカッションが入るヴァージョンでは初演。

 今宵も素敵なミュージシャンとお客さんに囲まれて歌わせていただけたことに感謝!!また新たな曲をお土産に中央線に帰ってきます!ありがとうございました。


 
2017.4.16
松田亜世
ワンマンライブ

at
京都
PARKER HOUSE ROLL


【晴】
<Stage1>
1.桜唄
2.骸骨の唄
3.好色男は正直者
4.風吹くままに(with Violin)
5.鏡(with Violin)
6.瞳を閉じて...(with Violin&Chorus)
7.一期一会(with Violin&Chorus)
8.犬が西向きゃ尾は東

 〜お仲入り〜

<Stage2>
1.弁当忘れても傘忘れるな
2.影
3.我は自由の境地なり
4.バイバイ!トーキョー(with松月)
5.がんばるまっし(Vocal:望月彌名子)
6.廓唄(Vocal:望月彌名子)
7.迷いの海(with Violin)
8.坂の途中(with Violin&Chorus)
9.ひろみ湯(with Violin&Chorus)

<アンコール>
1.生活の柄(高田渡カヴァー)
2.0<ゼロ>(with Violin&Chorus)
3.月(with Violin&Percussions)


《ゲストミュージシャン》
Violin多ヶ谷樹
Vocal&鍵盤ハーモニカ&Percussions:望月彌名子(From松月)




 2007年3月、僕の最初のミニアルバム『がんばるまっし』が発売されてから今年で10年・・・。その間、シングル『思ひ出雪』、アルバム『おかえり』、アルバム『0<ゼロ>』と発表することもできました。
 僕にとって激動の10年でもありました。高校卒業と同時に住み始めた“東京”を13年で離れ、一旦ふるさと金沢に引っ込んでからの京都生活も、間もなく丸6年になろうとしています。この町・京都でのワンマンライブということでいえば、2012年以来5年ぶり。随分と久しぶりな気がします。京都って町は、僕のルーツともいえるフォークな唄うたい達がその昔暮らした町。そんな町で歌う、それだけでも今夜のライブは僕自身ワクワクします。
 桜の花もゆっくりと散り、また新しい緑が顔を出しています。出会いと別れの春が、あちらこちらで交差します。今というこの瞬間はこれ以上でもこれ以下でもない色んなものの交差点・・・。
 今夜ステージを彩ってくださるミュージシャン、東京から多ヶ谷樹さんをお迎えします。多ヶ谷さんとは、ミニアルバム『がんばるまっし』のレコーディングで10年前にご一緒いただいて以来、僕の作品には欠かさずご参加いただき、ライブにも多々ご一緒いただいています。しかし、京都でご一緒するのは今夜がはじめてのこと。京都の町でのバイオリンの音色はとっても楽しみです。そしてゲストボーカルには望月彌名子を迎えます。歌っていうものは、歌い継がれてナンボかな、そんなことを最近思ったりします。
 確かなことは「今はまた今のまま、僕はまた僕のまま・・・」。今宵も精一杯歌わせてください。

  〜 見上げればままよままよの春の空〜

 
ワンマンライブパンフレットより
 気づけば5年ぶり2回目の京都でのワンマンライブ。生活の拠点を京都に移してから、やがて丸6年になろうとしている。そう考えると、京都という町では生活に追われて歌から遠ざかっていたもんだなぁと思わされた。

 しかし、「京都」という街は、フォークな唄うたいにとって特別な街であることも確か。故に、片手間では決して歌えないような、そんな感覚ももしかしたらどこかにあったのかもしれない。

 今回は嫁に背中を押されて、「そろそろ京都でやらなあかんなぁ」と歌わせていただいた次第。せっかく京都でやるならば、東京からバイオリンの多ヶ谷樹さんをお招きしようと今回の編成でのライブと相成った訳だ。そして、「京都」の空気にバイオリンは、合うだろうなぁとニヤニヤしながら当日を迎えた。

 会場はPARKER HOUSE ROLL。その昔、浅川マキさんもこの箱の前身となるお店(場所は同じ場所)で歌ったという歴史ある空間。僕の京都での生活圏内で、こういう場所があるっていうのもまた不思議。地下に下る階段を降りると舞台がそこにあった。


 桜の季節にちなんでの『桜唄』から京都でのステージは幕を開けた。京都の桜も綺麗だ。移りゆく季節は、切なさと同時に儚さの意味を教えてくれるようだ。

 人間の儚さ愚かさを歌った『骸骨の唄』。2曲目にして会場からのコール&レスポンスで京都のお客さんのノリの良さも実感。『好色男は正直者』をはさんでは、バイオリンの多ヶ谷さんをお迎えしてのステージ。想像通り、京都の雰囲気にバイオリンはやたらと合う。お店の雰囲気ともピッタリで、嬉しい時間が過ぎてゆく。さらに、今回のライブをやろうと言い出してくれた望月彌名子もコーラスで加わっての曲が続く。この3人のメンバーでのステージははじめてのこと。なかなかいい感じだったので、9月の金沢ライブでもこのメンバーで旅をすることにした。

 前半は、6年前に13年過ごした東京を離れ、金沢を経て京都に暮らすことになったそんな時に書いた曲『犬が西向きゃ尾は東』の弾き語りで締めくくった。


 仲入り休憩を挟んで後半に突入。弾き語りでゆったりと再開。そういえば、今メインで弾いているマーチンD28は5年経ってよく鳴るようになってきた。そんなことも感じたライブだった。そのマーチンからタカミネにギターを持ち替えて、半音下げドロップチューニングの『我は自由の境地なり』。テレビを観ていても(というか、朝のニュースとドラマ「やすらぎの郷」以外は最近あまりテレビも観なくなっているのだが・・・)他人事のコメントや無責任な評論ばかりで、もうホトホト呆れ果ててしまう。人間はつくづく自分は善人だと思い込んでいるもんだ。

 前回1月の東京ライブで初披露となった『バイバイ!トーキョー』からは望月彌名子も再び参加。鍵盤ハーモニカを吹いたり、タンバリンを叩いたり、忙しく動き回る。『がんばるまっし』と『廓唄』では、メインボーカルも取る。花街文化も息づく京都の街で、バイオリンとともに女性ボーカルで聞く『廓唄』。

 『迷いの海』、『坂の途中』、『ひろみ湯』と続いて後半のステージを終えた。多ヶ谷さんのバイオリンがぐいぐいと歌を引っ張ってくれる。


 アンコールもいただいて数曲。ちょうどライブ当日は高田渡さんの祥月命日。高田渡さんも暮らした京都の街で、奇しくもその日にワンマンライブ。『生活の柄』を望月彌名子とボーカルを取り合いながら演奏。京都で歌わせていただくっていいよなぁ、とあらためて実感。また近々京都で歌いたい、そう思った。

 バイオリンにも再び加わっていただいて『0<ゼロ>』、最後は『月』でライブを締めくくった。


 京都で歌えてよかった。また近々、歌で会いましょう!!


2017.1.28
松田亜世
ワンマンライブ

at
西荻窪
Terra


【晴】
<Stage1>
1.僕らの中央線
2.渇愛
3.骸骨の唄
4.弁当忘れても傘忘れるな
5.思ひ出雪(バンド)
6.廓唄(バンド)
7.僕が歌う理由(わけ)(バンド)
8.鏡(バンド)
9.坂の途中(バンド)

 〜お仲入り〜

<Stage2>
1.我は自由の境地なり
2.がんばるまっし(Vocal:望月彌名子)
3.バイバイ!トーキョー(新曲)(with松月)
4.風吹くままに(バンド)
5.風待ち唄(バンド)
6.一期一会(バンド)
7.瞳を閉じて...(バンド)
8.迷いの海(バンド)
9.ひろみ湯(バンド)

<アンコール>
1.0<ゼロ>(バンド)
2.月(バンド)


《ゲストミュージシャン》
Piano&Chorus:サントリィ坂本

Violin多ヶ谷樹
Percussions:安部徹
Vocal&鍵盤ハーモニカ:望月彌名子(From松月)



 2007年3月、僕の最初のミニアルバム『がんばるまっし』が発売されました。あれから10年が経とうとしています。その間、シングル『思ひ出雪』、アルバム『おかえり』、アルバム『0<ゼロ>』と発表することもできました。
 例えば、小学生の頃の10年後といえば、遠い遠い将来のこと、まだ見ぬ大人の世界でした。しかし、37歳の今振り返る10年前といえば27歳。アルバムのジャケットの写真を見ると確かに若き日の面影といった風貌ですが、感覚としてさほど遠くない昔のような気もします。年をひとつずつ重ねると、1年/10歳、1年/20歳、1年/30歳、1年/37歳…、人生経験とやらの長さから、1年がだんだんと短く感じるようになるのも確かなことなのかもしれません。
 いろんなことがありましたが、立ち止まってみるとあっという間の10年であり、その10年を背負った「今」が確かにここに在ります。
 今夜ステージを彩ってくださるお馴染みのミュージシャン・サントリィ坂本さん、多ヶ谷樹さんとも、ミニアルバム『がんばるまっし』のレコーディングで10年前にご一緒いただいて以来のお付き合いです。今夜パーカッションで登場いただく安部徹さんも、これまでの作品全てのレコーディングエンジニアであり僕の長年の音楽プロデューサーでもあります。
 ここ西荻窪Terraのステージに立たせていただくのも『がんばるまっし』の発売記念ワンマンライブが最初。あれからやがて10年になります。
そして、「今はまた今のまま、僕はまた僕のまま・・・」。今宵も精一杯歌わせてください。

   〜 凪の浜ふるさと遠き初日かな 〜

ワンマンライブパンフレットより
 2017年最初のワンマンライブ。10周年を迎えたライブハウスTerraで、ミニアルバム『がんばるまっし』発売から10年目の今年最初のライブ。西荻窪Terraには、オープンの年からお世話になっているので、ほぼ10年歌わせていただいている僕の東京のホームタウン。
 この日も雪をかぶった富士山を車窓左手に見ながら新幹線で東京にやってきた。

 今回のゲストミュージシャンは、お馴染みピアノ&コーラスにサントリィ坂本さん、バイオリン多ヶ谷樹さん、そしてパーカッションには安部徹さん。多ヶ谷さんとは2015年8月以来の共演、安部さんにパーカッションとして参加いただくのは2013年の金沢ライブ以来。


 ”西荻、荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺”と軽やかに歌う『僕らの中央線』から今宵の幕が開いた。やっぱり中央線が好きなのだ。休日には快速電車の止まらない西荻窪、それだけでも皆さん苦労して足を運んでくださっていることに感謝(笑)。休日に中央線の快速が止まらない「西荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺」こそが中央線の中の中央線だという論さえある、それもまた中央線。
 続く『渇愛』はライブで歌うのは随分久しぶり。『骸骨の唄』、『弁当忘れても傘忘れるな』と弾き語りが続き、『思ひ出雪』からはアコースティックバンドでの演奏。サントリィさんにアレンジをしていただいた『思ひ出雪』、金沢の花街を歌った『廓唄』と続く。『僕が歌う理由』は、アルバム『0』に収録されたピアノとバイオリンを中心に。『鏡』、『坂の途中』で前半のステージを終えた。


 後半は、無責任なマスコミに怒りを込めての『我は自由の境地なり』からスタート。続く『がんばるまっし』では、ゲストボーカル望月彌名子が、女歌の『がんばるまっし』を女声ボーカルで歌ってくれた。リリース10周年で『がんばるまっし』に新たな息吹が吹き込まれた気がする。人間、いつ死ぬかわからない中、歌が残るってこういうことなのかもしれないと思った。
 新曲の『バイバイ!トーキョー』では、引き続いてコーラスと鍵盤ハーモニカで望月彌名子が参加。この曲は、東京を離れて5年経った昨年書いた曲。ずっと引きずっていた「トーキョー」、この曲を書いたことで、やっと自分の中で一区切りついた気がする。

 『風吹くままに』からは、再びアコースティックバンドでの演奏。アルバム『0』の音の世界にパーカッションが加わって、また新たな音の世界が生まれた気がする。結局のところ、人生逆立ちしてもなるようにしかならない、きっとそれは風の中を生きるようなもんだろう。『風吹くままに』、『風待ち唄』は、そんな”風”をテーマにした曲。
 お馴染み『一期一会』、久しぶりに歌う『瞳を閉じて...』。自分で書いた歌でも、なんとなく歌詞が今の自分にしっくりこなくなると歌えなくなる歌がある。この曲もそうだった。久しぶりにアルバムで聴くと「いい曲やん」という自惚れもあって、歌詞を書き替えようとも試みたのだが、結局元の曲のまま演奏することに。
 そして、『迷いの海』、会場全体からの手拍子の『ひろみ湯』で本編を終えた。


 アンコールでは『0』と『月』を演奏。バイオリンとピアノの音色にパーカッションがさらなる情景を描き出した。

 前回昨年7月のライブではバンドでの演奏、今回はアコースティックバンドでの演奏。同じ曲でもいろんな顔を見せてくれる。音楽って最高!!


 そして何より、温かな空気でお聞きいただいたお客さんに心から感謝します。また夏、東京に戻ってきます!


『風待ち唄』

『がんばるまっし』(望月彌名子)

© 2000-2017 Asei Matsuda




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