松田亜世ライブレポート
2021年
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2021.7.17 松田亜世 ワンマンライブ at 西荻窪 Terra 【晴】 |
<Stage「起」> 1.僕らの中央線 〜オリンピックヴァージョン〜 2.がんばるまっし 3.柳は緑花は紅 4.Being <Stage「承」> 5.君の待つ海(バンド) 6.ダディ・ダーリン(カヴァー・バンド) 7.アメ玉(バンド) <Stage「転」> 8.骸骨の唄 9.一期一会(バンド) 10.鏡(バンド) <Stage「結」> 11.去・来・現〜Ko・Rai・Gen〜 12.泣きたいときは泣けばいい(新曲・バンド) 13.いま・ここ・わたし(新曲・バンド) 14.坂の途中(バンド) 15.ひろみ湯(バンド) <アンコール> 1.Live House Dream(バンド) 2.僕が歌う理由〈わけ〉(バンド) 《ゲストミュージシャン》 Piano&Chorus:サントリィ坂本 Violin:多ヶ谷樹 Percussions:安部徹 Bass:山西宏樹 ※今回のライブは、新型コロナウイルス感染症がいまだ終息していない状況に鑑み、本ライブは下記のような感染対策をとった上で、開催しました。 1.密を避けるため、25席(通常の定員の半分)限定ライブ。 2.店内除菌。 3.入場に際の体温チェック。 4.ライブ中に、1時間に2回程度の換気。 5.ボーカル等、飛沫が飛ぶことを防ぐためのプラスチックシールドをマイクに設置。 6.会場でのマスクの着用、大声での歓談の禁止。 7.酒類の販売中止。 8.20時閉店。 |
しかし、ライブ直前の再びの緊急事態宣言…。 もう一度延期にするのか、感染対策を充分とった上で予定通り開催するのか、どちらにしても簡単に判断などできるはずはありませんでした。開催するかしないかを決断するまで残されたタイムリミットも僅かで、迷いに迷った数日間。ライブハウスとも相談し、家族会議も何度もしながら、最終的には「充分な感染対策をして、東京に行こう」という結論になりました。 そして迎えたライブ当日。今回は小学校2年生になった娘と二人旅の東京。娘もライブを心から楽しみにしてくれていて、嬉しい限り。しかし、向かう先は緊急事態宣言下かつ東京オリンピック1週間前の「東京」。昨年の1月のライブ以来眺める富士山を横目に見ながら、様々なことが想像される中、ある種の「覚悟」をもって、東京インターから環八を北上、久しぶりの懐かしき東京の風景が車窓を流れる。一方では、「こんなに葛藤を抱えて東京に来たけど、来週東京オリンピックがはじまるんだなぁ」なんてことも頭をよぎりました(苦笑)。
Terraのスタッフに挨拶をして、楽器や機材のセッティングをして、ミュージシャンが次々に小屋入りしてきて…。これまで当たり前だったことが、今日は特別に嬉しく感じました。スタッフやミュージシャン一人ひとりと再会できた瞬間、自然と顔がほころびました。そして、リハーサルで音を出した時の「これだよこれ!」って感じ。ステージで歌えることの喜びをあらためて感じました。 今回は、お店もこちらも感染対策を様々講じてのライブとなりました。その一つとして、開演時間をいつもよりかなり早い17時半に設定し、曲数も若干減らして20時閉店に収まる時間でライブ全体を組み立てました。加えて、通常は2ステージ制のところを「起」「承」「転」「結」の4部構成にすることで、休憩時間に注文をしていただいて演奏中に食事を取っていただき、そうすることでマスクを外した会話による飛沫感染を防ぐという方法をとりました。アルコールの提供もなし、客席の様子も普段とはちょっと違うライブとなりました。 そんな状況ではありましたが、足を運んでくださるお客さんのありがたかったこと。一方で、「今回は見送ります」という返事を下さったお客さんもあり、それはそれぞれの状況での誠実な判断なので、当然の事情として、誰もが心おきなく音楽を楽しめる日が再びやってくることをあらためて強く願います。 さて、ライブの幕開け。お会いしたかった東京のお客さんの顔が客席に見えた時、「帰ってきた〜!!」という感情が沸き起こります。「ただいま」の気持ちを込めて『僕らの中央線』からスタート。ステージ「起」は弾き語りの4曲。 ステージ上ではチューニング、客席は追加オーダーと換気を兼ねたトイレ休憩のショートブレイクを挟んでのステージ「承」からは、サポートメンバーがステージ上に登場。延期になった2回のステージをご一緒いただく予定だったフルメンバーでのステージになりました。誰もが思うようにステージに立てなかったこの1年半、再びこうして生で音が合わせられたことが何よりも嬉しかったです。お馴染み『君の待つ海』から。続いて、ステイホーム中に出会った名曲『ダディ・ダーリン』のカヴァーは東京ライブ初登場。ステージ『転』もバンドと共に。 このコロナの間、僕にとってはよかったこともありました。ライブができない中、何とか音楽を伝える方途がないかと考える中で、これまでなかなか手を出せなかったDAW(所謂打ち込み)にチャレンジできたことがその一つです。打ち込みでアレンジをしながら書いた新曲を2曲交えてのステージ「結」。 これまでは、弾き語りである程度ライブで演奏した後、バンドのアレンジを加えるということが多かったのですが、打ち込みの場合、ラフアレンジが作曲とほぼ同時にできてしまうので、そのラフアレンジを基に初演をバンドでというやり方が簡単にできるようになりました。そんな2曲『泣きたいときは泣けばいい』と『いま・ここ・わたし』、どちらもコロナという状況の中で書かざるを得なかった歌です。「この曲が僕の人生の最後の曲になるかもしれない」、最近曲作りの中で、そんなことを思うようになりました。人生、次の瞬間、次の一呼吸に何が起こるかわかりません。(『泣きたいときは泣けばいい』はYouTubeに今回のライブ動画が上っていますので、ぜひご覧ください。)
コロナの中でTerraを応援するクラウドファンディングの返礼品としていただいたTerraオリジナルTシャツに着替えてのアンコール。これまたコロナの中で、あらためてライブハウスの大切さを感じながら書いた曲『Live House Dream』を東京初披露。かれこれ、27年程ライブハウスという場所で歌わせていただいていますが、ライブができないという状況に直面して、あらためてこの場所でなければならないものを感じたりしました。大好きなミュージシャン達と素敵なスタッフ、掛け替えのないお客さんと一緒にこの歌をこの「東京」で歌えたこと、とても嬉しかったです。 「こうしてまたTerraに来れて良かったです。」と歌い始めた『僕が歌う理由(わけ)』では、思わず涙が込み上げて来ました。僕にとって、なくてはならない場所がライブハウスであり、ここでのライブなんだと思います。 さぁ、まだまだ困難な時代は続きそうですが、歌い続けること、そのことにまっすぐに向き合っていきたいと思います。一つ一つのステージが、僕らにとっては最期のステージ。一つ一つ大切に歌って生きたいと思います。 ご来場いただいた皆さん、スタッフ、ミュージシャン、本当にありがとうございました。僕にとって生涯で忘れることのできない一夜になりました。 次回は来年1月8日のTerra。ぜひまたお会いしましょう!! |
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