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松田亜世ライブレポート
2023年



 ライブに寄せられたファンの声は・・・こちら

日時/会場 演目 (Set List) レポート
2023.10.14
松田亜世
ワンマンライブ

at
金沢
Music Bar JealousGuy

【晴時々曇】
<Stage1>
1.去・来・現〜Ko・Rai・Gen〜
2.一期一会
3.鏡
4.アメ玉
5.柳は緑花は紅
6.夜明けのバラード
7.骸骨の唄
8.Live House Dream

 〜お仲入り〜

<Stage2>
1.我は自由の境地なり
2.0
3.8月の空
4.泣きたいときは泣けばいい
5.悲しみを語れ愚か者
6.いま・ここ・わたし
7.Being
8.シャッター通りのアーケード

<アンコール>
1.ひろみ湯
2.坂の途中


《サポートミュージシャン》
Piano&Accordion&Chorus:
栗田佳奈子
Percussions: 望月彌名子
Chorus&Percussions: 望月一海・海度




 長かった2023年の夏…。

 彼岸を過ぎてなお、額から滴る大量の汗は、人間の身勝手に苦しめられ続けている地球の悲鳴のようにも感じました。海も森も空も土も、何かが音を立てて変わり始めているようです。

 そして、ようやく訪れた秋の気配にホッとしたのも束の間、北陸の長い冬がまたやってきます。

 こうして季節を繰り返し繰り返し重ねながら、しかし一日たりとも同じ日はなく。ご縁としかいいようのない不思議な巡りあわせの中、時だけは冷静にその歩みを止めることなく刻み続けています。

 今宵、1年半ぶりの故郷・金沢でのワンマンライブです。夢を一杯積んで「東京」に向かったあの日から、早いものでもう四半世紀。40代もまもなく折り返し地点に差し掛かりました。

 今夜は、僕の10代の背中を知るミュージシャンと、今まさに生活を共にするミュージシャンをサポートに迎えてのステージです。あの頃、「一生感動 一生青春」という相田みつをさんの言葉が好きでした。

 人生は死ぬまで完成しないようであって、実は完成した「今」がまさにここに在る、そんな気もする秋の夜です。さぁ、一期一会のライブのスタートです。

              〜 金木犀青春の日々水の音 〜 2023年10月14日 松田亜世


ワンマンライブパンフレットより

 昨年の4月以来、1年半ぶりの故郷・金沢でのワンマンライブ。

 今や金沢の音楽シーンにとって、なくてはならない存在のライブハウス・Jealous Guyでのワンマンライブは、実は僕にとってこの日がはじめて。

 開演前に流れるニール・ヤングのBGMがお店の雰囲気にピッタリで、ニヤリとしてしまう。おかげさまで客席もほぼ満員。お店の距離感の近さも相まって、金沢ライブとしては、これまでにない開演時の熱気・・・。野太い歓声に迎えられるのは、酒場でもあるJealous Guyらしくて、なんともワクワクしました。

 気づけば四半世紀の付き合いになるピアノ・栗田佳奈子のゴキゲンなフレーズと共に『去・来・現〜Ko・Rai・Gen〜』からステージの幕が開きました。カホンは望月彌名子。彼女にとってライブハウスでのカホンデビューとなったこの日ですが、しっかりとリズムの屋台骨を支えてくれました。(栗田佳奈子氏からは「初心者とは思えない、安定感とセンスでしっかりひっぱっていただきました!ほんとに気持ちよいgrooveでした!」との嬉しいコメントを送ってもらいました。)

 さて、ステージはお馴染み『一期一会』、『鏡』と続きます。Jealous Guyのなんともいい具合に枯れたアップライトピアノの音色が心地よい響きで鳴り、栗田佳奈子の気持ちのいいグルーブ感も加わり、歌い慣れた曲たちもいつもと違って聴こえるから不思議です。やはりライブは一期一会です。
アコーディオンもゴキゲンに

 『アメ玉』では、娘がカズー、息子もシェイカーで加わるとともに、ピアノからアコーディオンに持ち替えた佳奈ちゃんが、この曲の昭和のイメージを見事に描いてくれました。

 『柳は緑花は紅』、『夜明けのバラード』は、望月彌名子のコーラスと2人で演奏。『骸骨の唄』では、子どもたちが再び登場し、客席との「ガ〜イコツ♪ ガ〜イコツ♪」のコール&レスポンス。1stステージラストの曲は、栗田佳奈子のピアノと。

 コロナでなかなかライブができなかった時を思えば、こうしてあたり前に音を重ねられることが嬉しくて仕方がないのです。気づけばもう30年程、ライブハウスという場所にお世話になっています。歌い続けられることに感謝です。僕の原点・金沢で、そのことにまた気づかせていただきました。


 お仲入り休憩を挟んでは、この社会へのメッセージを込めて『我は自由の境地なり』から。この曲は、望月彌名子のピアニカと共に。

 国という概念を超えたいと歌う『0』を弾き語りで歌ったのに続けて、「人間の命は、侵略者から守られねばなりません。人間の命は、侵略を仕向け代理戦争を目論む大国から守られねばなりません。そして人間の命は、領土のために命を懸けよと国民を動員しようとする祖国からも守られねばなりません」との、ジャズトランぺッターで世界の紛争を見てきた伊勢崎賢治さんの言葉を紹介しながら『8月の空』。

 続く『泣きたいときは泣けばいい』は、アコーディオンの音色で曲の背景を豊かに描いてもらいました。

『骸骨の唄』のコール&レスポンス
 1月の東京ライブでは弾き語りで歌った新曲『悲しみを語れ愚か者』は、今回はロックなイメージのピアノとカホンを交えての演奏。『いま・ここ・わたし』、『Being』では、ピアノをフューチャーしたアレンジでお届けしました。『Being』では、アコースティックギターを置き、ピアノとパーカッションの伴奏のみで歌わせていただきました。

 本編ラストは、一海と海度もステージに上がっての『シャッター通りのアーケード』を会場の手拍子と共に。


 大きな拍手をいただいてのアンコールは、地元ソングでもある『ひろみ湯』。Jealous Guyのアップライトピアノがなんともいい感じに歌ってくれました。ひろみ湯タオルを肩にかけて手拍子してくださるお客さんもいて、とてもありがたいひと時でした。

 「人生は未完成だ、みたいなところで上に向かって歩いているような気がしていますが、実は足もとを確かめてみると、100%完成した毎日が続くだけなのかなぁということを思ったりします。音楽は時間の芸術だということをよく言われたりしますが、その瞬間瞬間を切り取って、確かめていくように流れていくのが音楽なので、音楽が流れている瞬間瞬間が、100%の今を確かめる時間のような気がしています」とのメッセージと共に、最後に『坂の途中』を歌わせていただきました。


 故郷・金沢でのライブは、いつも力をもらえるというか、僕の原点を確かめさせてくれる大切な場所です。

 そして、今回のライブは音楽的にも非常に満たされたステージでした。ライブハウスの音もとっても素晴らしくて、また次回、この場所で歌わせていただくことが楽しみです。

 お互いに命あれば、ぜひまたお会いしましょう!!本当にありがとうございました。



2023.1.7
松田亜世
新春ワンマンライブ

at
西荻窪
Terra


【晴】
<Stage1>
1.越のしらやま
2.柳は緑花は紅(with彌名子)
3.骸骨の唄(with彌名子)
4.アメ玉(バンド)
5.一期一会(バンド)
6.鏡(バンド)
7.坂の途中(バンド)
8.ひろみ湯(バンド)

 〜お仲入り〜

<Stage2>
1.僕らの中央線(弾き語り)
《復活!リクエストコーナー》
2.天漢(リクエスト・弾き語り)
3.我は自由の境地なり(with彌名子)
4.悲しみを語れ愚か者(新曲・弾き語り)
5.去・来・現〜Ko・Rai・Gen〜(バンド)
6.8月の空(バンド)
7.0(バンド)
8.泣きたいときは泣けばいい(バンド)
9.シャッター通りのアーケード(バンド)

<アンコール>
1.いま・ここ・わたし(バンド)
2.Live House Dream(バンド)



《サポートミュージシャン》
Piano&Keyboards&Chorus:サントリィ坂本
Violin多ヶ谷樹
Percussions:安部徹
Bass:山西宏樹
Chorus: 望月彌名子&一海




 「(2023年は)新しい戦前になるんじゃないですかね…」。昨年末、タモリさんがテレビで語った言葉です。そして、誰もが予想しなかった2023年が幕を開けました。

 “正義”が世の中の空気を支配するとき、一人一人の悲しみの声はかき消されます。正義の名のもと、踏みつけた側への怒りの感情こそ共有できても、踏みつけられた者一人ひとりにどれだけ心を寄せることができるでしょうか?そもそも人間は「あなたにはなれない」という悲しき有限の中を生きています。そして、縁さえもよおせば、自分が踏みつける側に立つかもしれないという人間の危うさに思いが至らないということが、決定的な人間の愚かさであります。

 今生きる日々刻々が、「何が起こるかわからない」ということで真実であるように、人間としての私もまた「何をしでかすかわからない」危うさの中、生かされています。

 島を追われた北方領土の元島民の方が「故郷には帰りたいが、今、島を故郷として生きるロシア人に自分と同じ苦しみを味わわせたくない」と語られたそうです。自分が背負わされた悲しみに徹底的に向き合った方からしか生まれない言葉だと思いました。

 悲しみを語り合い、人間の愚かさを知らされることで、超えられるものがあると信じます。

               〜 初鏡時流れても我凡夫 〜  2023年1月7日 松田亜世


ワンマンライブパンフレットより









<準備中>

© 2000-2023 Asei Matsuda




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